史上かつてない大接戦だったキングオブコント 10組中9組がファイナルを望まれた異常事態の詳細
https://news.yahoo.co.jp/byline/horiikenichiro/20221009-00318837

キングオブコント2022はビスケットブラザーズの優勝だった。

2021年に引き続き、小太り下着姿コントの圧勝であった。

昨年、2021 年キングオブコントは空気階段が「SMクラブの火事」コントを演じて下着姿の2人が走りまわり、486点の高得点を叩き出して、そのまま優勝した。(空気階段の水川は小太りではないですけど)

今年2022年の第1ステージは、ビスケットブラザーズが「野犬と戦うキラキラリン」を演じ、最初は一人だけセーラー服姿に下着(パンツ)姿だったが、最後は二人とも下着姿になって戦って481点を得て、そのリードを守って優勝した。
(コント名は便宜的にこの原稿用に付けたものです)。

■審査員とテレビで見ている人の温度差
いまや、小太りパンツ時代である。(早く終わってもらっていい時代ですが)

今年のKOCの結果に納得いかない人がいるなら、おそらくこの「小太りパンツ姿」コントに対する拒否感が第一にあるのではないだろうか。

審査員もまたパフォーマーなので、この「パンツ姿での設定のわかりにくいコント」であっても、目の前の客をどこまで巻き込んでいくのか、というポイントで評価する。

熱を測っているようなものだ。

もちろん技術やテンポや間合いや演技や表情も見ているのだが、それに加えて大きな要素として「客を巻き込む熱」も入れているばかりだ。

わかりやすさを第一に評価しているわけではない。

会場の熱気の中で審査をするのと、家の中でいろんな雑音にまぎれながら見ているのとではずいぶん印象が違ってくる。
しかたがないところだ。

■審査員の採点幅が狭まっているわけ
おそらく大会出場者のレベルが上がっているのだろう。

また、それに呼応して、審査員の「幅のある採点」が減ってきている。

最低点数は、今年は「89点」がもっとも低く、それも2回だけである。

第1ステージで審査員5人が10組を採点するので、50回の採点、そのうち89点が2回だけで、あと48回は、つまり96%が90点台だったのだ。

甘くなったのではないだろう。

あきらかに出演者の平均レベルがすごく高くなっているように感じる。

かつてのように「80点」という、ある意味「不合格の烙印」のような点数が付けられることがなくなった。

ハイレベルのパフォーマーが集まって、文句がつけられないステージを展開することが多くなったのだ。少なくも2022はそうだった。

■1点差を大事にする審査になってきた
審査員は去年と同じメンバーであった。

去年に入れ替えがあったので、二年目のメンバーである。

去年似比べて、より採点幅が狭まっている。

なるべく1点刻みで差をつけようとしているのだ。

たとえばロバート秋山は、去年は「97から89」と8点幅で採点していたが、今年は「96から92」の5段階で評価していた。

霜降り明星山内も9点幅から8点幅、バイきんぐ小峠も去年の8段階の評価から今年は6段階評価、東京03飯塚も8段階から7段階へと狭めている。
(ダウンタウン松本の幅は同じ)

1点を大事にする姿勢が、審査員に強くなってきている。

■10組中9組がファイナルステージを望まれていた
ファイナルステージに進んだのは、「ビスケットブラザーズ」と「や団」「コットン」であったが、他のチームが最終ステージに上がってもおかしくなかった。

気づかれなかったかもしれないが、かなりの僅差だったのだ。

第1ステージで、審査員が「上位三組」に入れたユニットを並べてみる。

(優勝したビスケットブラザーズをBBと表記する)

ダウンタウン松本:1BB、2コットン、3いぬ
東京03飯塚:1BB・や団、3かが屋
バイきんぐ小峠:1BB、2クロコップ、3コットン・かが屋・最高の人間
ロバート秋山:1BB・コットン、3や団・ロングコートダディ
霜降り明星山内:1コットン・ネルソンズ、3BB

BBことビスケットブラザーズは4人が1位、1人だけ3位採点で、圧倒的に評価が高かったのがわかる。

そして、第1ステージ通過の「や団」と「コットン」以外にも、いぬ、かが屋、クロコップ、最高の人間、ロングコートダディ、ネルソンズも審査員それぞれによっては3位以内の採点されている。

ビスケットブラザーズを含めると9組となる。

彼らもまた、ファイナルステージに進む実力ありと認められたわけである。…
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