ソフトバンク・松田宣浩内野手が28日、本拠地ペイペイD内で会見を行い、今季限りで退団する意思を表明した。

 「9月の1軍登録抹消の前日に、球団の方から来季の構想外という話を聞きました。その中で自分としてはまだまだ1軍の気持ちになりたいという思いもありましたが、自分の気持ちではモヤモヤした気持ちだったり、中途半端な気持ちで1軍で戦うというのはチームメイトに対して迷惑がかかるんじゃないかと思い、報告を聞いた次の日に藤本監督とお話する機会をいただき、現役引退するか、退団して現役を続行するか。選択させていただく時間をいただきました。その中で約3週間ですが、若い選手と暑い中、一生懸命練習を頑張ってきました。その中で気付いたことが自分はまだまだ野球が大好きだということと、まだまだ体が元気ということ。あとは大好きな野球を自分からやめるという決断には至らなかったということがありまして、11連戦が終了した次の日に球団の方に現役続行を希望し、ホークスを退団させていただきますというご報告、ご連絡をさせていただきました」

 本来、退団の発表はレギュラーシーズン終了後からCS第1戦の前日までが規定だが、球団として松田は功労者であり、いち早くホークスのユニホームを脱ぐことをファンに伝えたいという本人の希望から、プロ野球選手会とNPBの了承を得て、異例の早期発表となった。

 松田は3年目の08年から三塁のレギュラーの座をつかむと、14年には最終戦で優勝を決めるサヨナラ打を放つなど、ド派手な活躍でファンを魅了してきた“熱男”。15年には自己最多の35本塁打、94打点を記録。主軸の一人として、チームの黄金期を支えた。守備でも13年からの7年連続を含む8度のゴールデン・グラブ賞を受賞。侍ジャパンの常連でもあり、13、17年WBC、15、19年プレミア12に出場し、15年には世界一に貢献した。

 今季は15年連続の開幕スタメンを勝ち取ったものの、世代交代を推し進める中、5月以降は出番が激減。7月29日に新型コロナ濃厚接触者疑いで初めて抹消され、8月5日には再昇格したが、以降の先発出場は4試合だけ。今月8日には再調整のため2軍降格し、現在まで1軍合流には至っていない。ここまで自己最少の43試合の出場にとどまり、打率2割4厘、7打点。自身初の0本塁打となっていた。

 ◆松田 宣浩(まつだ・のぶひろ)1983年5月17日、滋賀・草津市生まれ。39歳。岐阜・中京高、亜大を経て05年大学・社会人ドラフト希望枠でソフトバンク入団。18年にベストナインを初受賞した。通算1910試合に出場し、打率2割6分5厘、301本塁打、991打点。180センチ、86キロ。右投右打。家族は夫人と1男1女。今季年俸1億5000万円。
報知新聞社

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