9/9(金) 14:38配信 読売新聞オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/69799783ff49847d550e678499dd120b64065739

 NHKが昨年12月に放送したドキュメンタリー「BS1スペシャル『河瀬直美が見つめた東京五輪』」で、誤った内容の字幕を表示した問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は9日、重大な放送倫理違反を認定する意見書を公表した。

 番組は、東京五輪の公式記録映画監督の河瀬直美さんに密着したドキュメンタリーで、映画スタッフが男性にインタビューする場面で、「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」との誤った字幕が付けられた。

 意見書では、番組は、五輪反対デモに参加していない男性を参加したかのように描き、別のデモに関する男性の発言を五輪反対デモに関するものであるかのように編集して放送した、と指摘。これらがNHKと日本民間放送連盟が策定した「放送倫理基本綱領」、さらに「NHK放送ガイドライン」にも反している、とした。

 さらに本件放送が、デモの参加者は「お金」で「動員」されたものであり、主催者の主張を繰り返すだけの主体性のない人々であるかのような印象を与えたことは無視できないと指摘。最後に「NHK全体の信頼を毀損(きそん)しかねないものだったのではないか」としている。