9/4(日) 9:06配信

日刊ゲンダイDIGITAL
当時の人気を考えれば…(C)日刊ゲンダイ

 8月27日に放送されたバラエティー番組「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」(テレビ朝日系)は違和感たっぷりだった。平均年齢15歳の“昭和大好き博士ちゃん”たちが選ぶ「昭和アイドルベスト20」を発表し、1位は中森明菜、2位は山口百恵、3位は松田聖子という結果になった。4位に西城秀樹、6位にフィンガー5(男女混成グループ)、14位に沢田研二、20位にチェッカーズと男性も入ったが、ジャニーズ事務所のアイドルは一人も登場しなかった。

【写真】宮崎美子“61歳ピカピカ”ビキニ…美魔女ナイスバディなぜ?

 民放関係者はこう見る。

「かなり不自然でしたね。当時の人気を考えれば、近藤真彦、田原俊彦、シブがき隊、少年隊、光GENJI、男闘呼組はランクインするはず。一人も入らなかった理由は、所属当時の著作権を持っているジャニーズ事務所が映像の放送を許可しなかったからと推察されます。過去の映像をテレビ局が勝手に流すことはできないんですよ。SMAPが解散した後の音楽特番で、彼らの映像が放送されるべき場面で出てこないことがあった。その時、SNSで局への抗議が書き込まれていましたが、我々にはどうすることもできない。ジャニーズは退所した、しないにかかわらず、過去の映像をNGにする場合が多い。そのグループを全面的に取り上げるならOKが出ることもありますけど、ランキングの一部だとまずNGですね。CSで民放の昭和の番組が流れる時もジャニーズのタレントがいた回は、十中八九放送されません」

■裏番組が24時間テレビだった影響も

「博士ちゃん」の裏番組として日本テレビでは「24時間テレビ 愛は地球を救う」が放送されており、メインパーソナリティーに嵐の二宮和也、KAT-TUNの中丸雄一、Hey!Say!JUMPの山田涼介、Sexy Zoneの菊池風磨が起用されていた事情もあるかもしれない。

「テレ朝は特にジャニーズに気を使う局ですから、映像許可の依頼さえしてないことすら考えられます。いっそのこと、女性アイドルに絞って番組を作れば良かったのでしょうけど、西城秀樹を目玉にしたい考えもあったのかもしれません。著作権を大事にするジャニーズの方針は芸能事務所として当然の姿でもある。ただ、現実問題として動画サイトで過去の映像は見られてしまいます。文化史の一端を担っている芸能プロダクションなわけですから、仮に今回の番組でNGを出していたとすれば、これからは積極的にOKにしてほしい」(前出の民放関係者)

 視聴者はジャニーズが一人も入らない不自然さに気付いたはずだが、「テレビは大手事務所に忖度するもの」と脳裏に焼き付いているからなのか、ランキングへの抗議の声はあまり上がっていない。ベテランの芸能記者が語る。

「テレ朝はアンケートを取る際にジャニーズは対象外と伝えているか、ベスト20に入ったものの放送には反映しなかった可能性が限りなく高い。このようなランキングを放送するなら、視聴者にうそをついていると思われないかが重要でしょう。番組のどこかで、ジャニーズは対象外というか、アンケート結果を正直に放送した上で、許諾が取れないので映像を流せませんと表明すべきです。そしたら話題になりますよ」

 視聴者に“作為的なランキング”と感じられる番組が氾濫すれば、“テレビ離れ”はさらに加速するだろう。それはテレビとともに歩むジャニーズ事務所にとって不利に思えるが……。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c8bad32b102b1278064a980b6155a920a57f40a5