読売新聞2022/08/17 20:48
https://www.yomiuri.co.jp/sports/interhigh/20220817-OYT1T50217/

全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)の競泳が17日、高知市で行われ、競泳と野球両方の部に所属し、「二刀流」を歩む異色のスイマーが実力を見せつけた。男子100メートルバタフライで光永 翔音しょうおん (東京・日大豊山2年)が完勝し、400メートルリレーに続いて2冠を達成した。

25メートルで頭一つ抜けだし、先頭でターン。1メートル90の長身を生かした泳ぎで最後までリードを保ち、昨年2位の雪辱を果たした。優勝候補筆頭の重圧を感じながら「ガチガチの中で勝てた」と胸を張った。

中学から二つの競技で才能を発揮した。水泳では50メートルバタフライなど複数の種目で日本中学記録を樹立。野球では強打の外野手として強豪の硬式チームで中軸を担った。「競泳も野球もどちらも楽しい。完全燃焼したい」と競泳で多くのトップ選手を輩出し、野球でも甲子園出場経験がある日大豊山へ。泳いだ後に白球を追う日々で成長した。

この夏、野球部ではベンチ入りできず、チームも地方大会で敗退。だが、競泳はこれで一区切りとし、高校最後の1年に向けて今後は野球に注力するという。野球でも輝くために「(競泳に集中して)遅れた分を取り戻すつもり。悔いを残したくない」と話す。

18日には頂点も視野に入れる100メートル自由形、メドレーリレーが控える。「レースを楽しんで勝ち切る」。プールでの最高の花道を飾る準備は整った。(井上敬雄)