【安倍元首相銃撃で見えた 統一教会の実態】

 世間を驚かせた「合同結婚式」から30年──。

「広告塔」として旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の布教活動に貢献してきた歌手の桜田淳子(64)は、一連の事態をどう受け止めているのか。

 1992年8月、桜田は所属事務所の反対を押し切って合同結婚式に参加し、芸能活動休止に追い込まれた。桜田が再び表舞台に姿を現したのは、2013年11月26日。デビュー40周年を記念した一夜限りのイベントが東京・銀座の博品館劇場で開かれ、約380人のファンが詰めかけた。20年ぶりにステージに立った桜田は、メドレーで曲を披露した。

 17年には同じ博品館劇場で行われた音楽公演にゲスト出演。「いよいよ本格復帰か」と囁かれ始めたため、復帰を危惧した「全国霊感商法対策弁護士連絡会」(全国弁連)は芸能活動再開反対の声明を発表した。

<桜田氏の家庭連合・旧統一教会信者としての諸活動によって、影響を受けた信者たちは決して少なくありません><家庭連合・旧統一教会の反社会的組織活動の支援、増長のための活動をしないことを誓約しないまま、タレントや芸能人などとして社会的影響をもたらす諸活動を行うことに、強く反対します。家庭連合・旧統一教会の被害者や元信者の方々からは、このような社会的責任に無自覚な桜田氏の言動は許せないという強い意見が広くあります>

 桜田は教団内でどんな立場なのか。世界平和統一家庭連合に聞いた。

「特定の信者さまのプライバシーに関することを教団がお話しすることはありません」(広報部)

 全国弁連の山口広弁護士がこう指摘する。

「山上徹也容疑者の母親など一般信者は例外なく、『献金、献金』といって搾り取られますが、桜田氏はそういうこともない。女性信者は既婚、独身問わず資金集めの経済部隊か伝道教育部隊に振り分けられ、何でもやらされるが、そういうこともほとんどやっていません。着物展に参加して販売を手伝うなど、特別扱いです」

 幹部信者の桜田は資産や不動産を持つことを許され、現在は都内の億ションで夫とともに生活している。

■歌や発言で活動を引き締めムードを盛り上げる

「主に団体活動の引き締めやムードを盛り上げて信者のやる気を上げるために、地方の集会に参加して話をしたり、歌を披露している。信者は『淳子さんも頑張っているんだから、私たちも頑張らなきゃ』と繰り返し言っていた。桜田氏は信者を前にして『(文鮮明は)素晴らしいお父さま』『真のお父さま』『神が遣わした再臨のメシア』という前提で話します。信仰に迷っている信者は、彼女の発言に確信を深め、信仰心のある信者はもっとやる気になる。同年代の信者には効果抜群です」(前出・山口弁護士)

 桜田は来年、デビュー50周年を迎える。

 2018年の「婦人公論」(3月13日号)で「この先10年間で今までの芸能生活の総括をしようと思っています」と語っていたが、広告塔として多くの被害者を生んだ責任は重大だ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7c2037c7bcd4a677ec0669359e59e2b2b8462c7d