https://news.yahoo.co.jp/articles/cf5e366a755b75abdb4eb124515fac0bd8b245e5

乙武洋匡氏 選挙で感じた宗教団体のパワー「つえーな」「こういうことできるんだ」

 先の参院選で落選した作家の乙武洋匡氏が29日、自身のユーチューブチャンネルを更新。「【政治と宗教】完全無所属で戦ったからこそ言える本音!!【統一教会】」と題した動画を公開した。

 7月8日に安倍晋三首相が山上徹也容疑者の凶弾に倒れ、はや3週間。同容疑者の動機には実母が信仰する旧統一教会への憎しみがあったことが明らかになっている。

 乙武氏は一連の経緯を踏まえた上で「カルト宗教を何とかしなきゃね、という意見には賛成。しかし拡大解釈して、政治と宗教の関係を断ち切るべきだ、という意見にはちょっと慎重になるべき。日本では信教の自由が認められている。同時に政治的に思想信条の自由も認められている。だとすると、2つ重なり合うと、共通の候補者を応援することは当然起こりうる」と指摘した。

 参院選で乙武氏は無所属で出馬し、組織的な他党候補の戦略に舌を巻くことがあった。旧統一教会で言えば、昨今、自民党との深い関係が報じられている。

 ここで乙武氏は「やっぱりさ~!」と声のトーンを上げ、選挙戦を通じて感じた率直な気持ちを吐露。

「無所属で戦って。どこの支援団体も付いていない。宗教団体に応援してもらったこともない。ある特定の宗教団体がある候補を応援していて、選挙を戦いながら『つえーなぁ』『こういうバックアップがあると、こういうことができるんだ』とか感じますよ、それは。複雑な思いはあるけど」

 その上で、旧統一教会問題の〝本質〟に迫る。「政教分離は誤解されがちな案件。国家や公権力が特定の宗教に利益が行くようにしたり、逆に特定の宗教を弾圧したり、介入するのを国家がやってはダメということ。選挙の時に宗教団体が特定の候補を応援するのは政教分離に反していない」と語る。

 難しいのは旧統一協会が推した自民党の実力派議員が当選し大臣や総理大臣になった場合。乙武氏は「宗教団体に借りがある人が国家権力をつかさどる立場になった時に政教分離の原則を貫けるか、と言ったら結構危ういと思う」と警鐘を鳴らした。