7/20(水) 15:31配信 DIAMOND SIGNAL
https://news.yahoo.co.jp/articles/8a67190a34a456b1bdd5b55e206f47a99ed6a869

米ストリーミング大手・Netflixの会員数減少が続いている。米国時間6月19日に発表した2022年第2四半期(4~6月)決算によると、会員数は前四半期から約97万人減となる約2億2067万人で、2四半期連続での減少となった。会員数が2四半期連続で減少するのは上場以来初となる。

ただし、日本を含むアジア太平洋圏に限定すると会員数は伸びており、前四半期比108万人増となる約3480万世帯となった。

5月には人気ドラマ『ストレンジャー・シングス』の新シーズンを配信開始し、最初の4週間で総視聴時間は13億時間を超えた。だが、それでも会員の減少には歯止めをかけられなかった。会員数減少の背景には、Disneyの「Disney+」やAppleの「Apple TV+」といった競合サービスの躍進、そしてインフレーションによる消費者の節約志向などが挙げられる。

会員数の減少に苦しむNetflix。特にZ世代(一般的には1990年代半ばから2010年代生まれの世代)女性の解約、そしてサービスをスマートフォンで視聴するモバイルユーザーの減少が目立つことが、米調査会社・Global Wireless Solutionsの調査により明らかとなった。同調査によると、2019年1月~2022年6月の約3年半の間で、18~24歳の女性モバイルユーザーの26%がNetflixを解約した。

同調査は男女問わずモバイルでの視聴時間が激減していることも示した。2019年1月と2022年6月を比較すると、18~24歳の女性ではモバイルでの視聴時間が39%減少。25~34歳の男性では33%減少した。

Global Wireless Solutions・CEOのポール・カーター氏は「ほとんどの人にとって、スマートフォンはエンターテインメントやレジャーの世界への主要な入り口となっています。そのため企業にとって、消費者がどのような基準でスマホで視聴するコンテンツを探しているかを理解することは、未だかつてないほど重要となりました」と調査結果に対してコメントしている。

Netflixでは、2022年第3四半期(7~9月)には100万人規模の会員増加を見込む。1月に実施した値上げに伴う解約が一段落するためだという。また、節約志向の強い消費者を引きつけるため、7月13日にはMicrosoftとの提携を発表し、2023年初頭に広告付き低価格プランを追加すると明かしていた。

広告付きプランの導入により、Netflixでは「長期的には、料金の引き下げに伴う会員の大幅な増加、加えて広告収入による利益成長が可能になる」と見ている。また、これまでは不正にパスワードを共有するユーザーを黙認してきたが、8月からはパスワード共有に追加料金を請求する新機能を中南米5カ国で開始する。こうした取り組みは会員数再拡大への起爆剤となるか。