8日に起こった安倍晋三元首相の銃撃について、テレビ各局は報道特番を長時間放送した。

その結果、放送予定だった番組が休止された。

フジテレビ『坂上どうぶつ王国』、日本テレビ『竜とそばかすの姫』、テレビ朝日『マツコ&有吉のかりそめ天国』、TBS『この歌詞が刺さった!“グッとフレーズ!”』などだ。
 
ただしテレビ東京はほぼ通常の編成だった。

午後帯で速報を入れることはあったが、夜帯はアニメやバラエティなどを普段通りに放送した。これらに対してSNS上では、「テレ東に感謝します!」「各局何時間も特番流すほどの情報が何かあるわけ?」などの声が寄せられた。

この日の視聴率動向をみると、SNS上の発言が裏付けられる。

夜帯の報道特番は、必ずしも見られていなかったのである。どうやら特番ラッシュは、正しい編成とは言えないようだ。


持続しなかった関心

この日の視聴率推移を、前4週平均と比較してみよう。
ビデオリサーチより早く数字を公表するスイッチメディアのデータで比べてみる。それによると、この日の12時台は個人視聴率で4%ほど上昇し、18時台までほぼその高さを保った。

ところが夜帯に入ると次第にリードは失われ、22時台では普段と同じ水準に戻ってしまった。
元首相の銃撃という大事件であることは間違いないが、ほぼ全局による10時間を超える特番ラッシュはさすがに厳しかったようだ。

これを年代別にみると、若年層ほどその傾向が強かったことがわかる。

まず65歳以上の高齢者は、多くの人がテレビに反応した。
事件発生直後の12時台に7%以上高くなり、その後9%以上高くなることもあった。ところが夕方で6%台、19時台4%弱、21時台2%弱と差はみるみる縮まった。

コア層(13〜49歳)では、その差はかなり圧縮される。
午後帯で3%前後、20時台2%、21時台1%弱と推移し、22時台では前4週を下回ってしまった。

これがT層(13〜19歳)だと、より極端になる。
午後帯は1〜2%高いが、19〜21時台は1%未満となり、22時以降は普段より低くなってしまった。見るに値する番組がテレビにないと、スマホなど他のメディアに逃げていた可能性が高い。

SNSでは厳しい声

この辺りの理由は、ツイートに散見される。

「各局、似たような内容ダラダラやる意味無い」
「何時間も同じ事の繰り返しリピート報道だけは勘弁してもらいたい」
「情報が足りない中で放送する意味はあるのか」
「真相は分からないしタラレバで同じ事の繰り返しみたいな内容で正直ウンザリ」
「テレビ報道は予想通り。繰り返しが多く、中身は薄い」

まず目につくのは、同じ内容を延々繰り返すことへの拒否感。
それでも事件発生直後から夜9時くらいまでは、概ね全年齢層が前4週平均より視聴率が高かった。衝撃的な事件だけに、事件の発生を知りテレビをつけた人は多かった。帰宅後にチャンネルを合わせていた人も少なくなかった。

ただし何時間も見続けた人は多くなかったようだ。

続きはソースで
https://news.yahoo.co.jp/byline/suzukiyuji/20220710-00304944