「相性が良いといったらゾノ」

 元日本代表FWの城彰二氏が6月8日、自身のYouTubeチャンネル『JOチャンネル』で最新コンテンツを投稿。「凄いと感じたMF」をテーマに語った。

最初に挙げたのが、元日本代表の前園真聖氏。「相性が良いといったらゾノ。阿吽の呼吸で何でもできる。パスが出るタイミングが分かっていた。指示もなかった」と振り返り、プレーについては話したことすらなかったと明かした。

 次に挙げたのが、元ブラジル代表のドゥンガ。「ポジショニングが凄かった。良いタイミングでパスコースを消してくる。動くのは半歩とか2歩とかだけど、経験値が凄くて距離感が分かっている。だから、余計に動かないとパスをもらえない。自分たちは走らされ、疲れさせられる」。

 パスカットも上手かったようで、同様にサンパイオやリバウド(ともに元ブラジル代表)の名を口にして「ブラジルの選手はやっぱり上手い」と称える。

 話はパスの質について展開され、「パスひとつで、全然違う。究極は、受け手の利き足にストレスなく、ピタッと止められるパス。ズレがない、とか。(中村)俊輔(横浜FC)とかもそうだけど、小さいところのこだわりや質が、良い選手とそうでない選手を分ける」と説明する。

 パスの受け手が、走り出してそのままスピードを落とさずに受けられるか、ちょっと戻ってコントロールするか。「同じパスはつながっているけど、まったく質が違う。サッカーって1秒2秒で状況が変わるから」と力説し、その意味で、ルカ・モドリッチ(レアル・マドリー)などは「サッカー界のトップ、ちょっと違う」と評価した。
 
 さらに、海外と日本の指導法の違いについても言及。「海外では小さい頃からパススピードを注意されて、雑だったりもするけど、でも彼らはその雑さに慣れているから、早いボールが来ても、コントロールする技術が高かったりする。止まって蹴る練習とかはやらない。日本の場合は、対面に向かって、パスをちゃんと真っすぐ通せるかどうかの練習。日本では体育で、形から入る」と指摘する。

 また、リオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン)との対談の際に、マーカーを使ったドリブルがあると伝えると「グラウンドのどこに、マーカーが落ちているのか。こんな練習をしても上手くならない。ドリブルは対人だからどういうタイミングでかわすか、どう運ぶかが一番大事」といったことを言われたという逸話を披露した。

「日本人はロボットか」とはっきり言われ、教本にある腕の角度などが記されたヘディングのページを見せると、メッシが爆笑したという。

「日本はまず原理原則、理論を教えたがる。海外は感覚。どっちがいいのか分からないけど、でもサッカーは感覚だから」と、城氏は自身の考えを述べた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7decb6bd95146b41e63bf5c49b4c56bc3edd3b37