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 5月に児童ら21人が死亡した小学校銃乱射事件が起きた米南部テキサス州ユバルディ出身の俳優、マシュー・マコノヒーさんが7日、ホワイトハウスでバイデン米大統領と面会し、「失われた命を大切にすることから始めよう。今なら本当の変革を起こせる」と銃規制の強化を訴えた。

 自身も銃を所持するマコノヒーさんは、バイデン氏との面会後に記者会見場で演説した。事件後に遺族らと面会した際のエピソードを紹介し、「軍事用のライフルによる損傷が大きく、遺体は化粧だけでなく、例外的な修復が必要な状況だった」と声を落とした。

 その上で「責任ある銃所持者は、錯乱した個人によって憲法上の銃保有の権利が悪用されるのにうんざりしている。規制は、市民社会や憲法上の権利を後退させるものではなく、前進させるものだ」と強調。銃購入希望者の身元調査の厳格化、軍事用の自動・半自動式ライフルの購入可能年齢引き上げ、学校の安全対策や精神障害のケアの拡充、銃に関する扇情的な報道の規制などが必要だと訴えた。

 さらに「権力の座にある人間が行動を怠ってきた」と指摘し、民主、共和両党に規制強化の法制定を求めた。自動・半自動式ライフルの所持禁止を訴えるバイデン氏とは意見に温度差もあるが、「これは党派的な問題にすべきではない」と訴えた。

 マコノヒーさんは映画「評決のとき」(1996年)などに主演。「ダラス・バイヤーズクラブ」(2013年)ではアカデミー主演男優賞を受賞した。政治活動への関心も高く、今年11月のテキサス州知事選への出馬が一時取り沙汰されていた。【ワシントン秋山信一】