Sing Like Talking藤田千章、キャリア初のソロアルバムに迫る:インタビュー
4/22(金) 11:04 MusicVoice
https://news.yahoo.co.jp/articles/26e844c1924d6659597318e365045766280ac716
藤田千章
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 Sing Like Talkingの藤田千章が4月20日、キャリア初のソロアルバム『un-categorized [Default]』をリリース。Sing Like Talkingのメンバーで、キーボーディストとしてバンドのコンポーズ、サウンド・メイキングを担う。88年シングル「Dancin' With Your Lies」でデビュー。来年バンドはデビュー35周年を迎える。
『un-categorized [Default]』preface(初回盤ではdisc1)は、インストと歌モノがバランスよく配置され、様々な角度から“藤田千章ワールド”を堪能できる1枚に仕上がっている。

(※中略)

【取材=村上順一】

◆バンド活動以外のことはあまり考える余裕がなかった

――こういった形でソロアルバムをリリースされるのが初めてと聞いて驚きました。

 ソロ活動はゲーム音楽、プロデュースやアレンジ、トラックメイキングなど裏方のような活動はしていました。自分が主体となったオリジナル作品に関しては、バンド活動以外のことはあまり考える余裕もなかったですし、時間もなかったんです。それがコロナ禍になり、更に、昨年ギターの西村(智彦)くんが病気になって療養に入って、バンド自体の活動が止むを得ず薄くなった。西村くんの復帰を待つこの期間に、自分で何かしらの音源を提供できるんじゃないか、と考えたのがきっかけでした。

――Sing Like Talkingのメンバーである佐藤 (竹善) さんと西村さんのソロ活動は、藤田さんからはどのように見えているのでしょうか。

 ソロ活動はバンドとは違う自分の表現をしたいということなので、それはすごくいいことだなと僕は思っていましたし、もっとそれぞれ個人の、アーティストとしての可能性みたいなところを言及していきたくなるのは、当然のことだなとは見ていました。僕は裏方タイプなので、バンドのことをやっているだけでも手一杯で、あまりそういう発想にならなかったんです。

――とはいっても楽曲は作られていましたよね?

 自分の曲を作ることもなくはなかったのですが、それは実験の域です。どうやってこの実験したサウンドをバンドの曲として提供できるか、バンドをはじめ、その他のプロデュース、アレンジメントの仕事に還元できるか、そういうことばかり考えて作っていたので。

――意識が全然違ったんですね。

 もともと僕はサウンド志向が強いと言いますか、音楽を数学的に捉えているところがすごくあって、音楽自体の構造を研究してしまうタイプです。自分で何かを作ってこんなことをやったら面白いかも、というのはもちろんあるんでしょうけど、その都度、依頼されるものに対して提供していくことに喜びを感じるというか。

――藤田さんの音楽のルーツにはどんなものがあるのでしょうか。今作を聴かせていただいて、ルーツが沢山あるような気がしました。

 なので、『un-categorized [Default] 』 (初期設定としての未分類) というタイトルになったのかなと思います。音楽の原体験的なところだとブラックミュージックだったり、R&Bに根ざしたロックだったり。ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・ビートルズから始まって、レッドツェッペリンとかエアロスミス、クイーン、ドゥービー・ブラザーズ、イーグルスなどあの時代のものを全て吸収していますね。黒人音楽が好きというのもあって、ブルースやソウル、AOR系、ホワイトソウル、さらにPファンク。フラワーチルドレン時代のサイケでドープな音楽もルーツです。また僕の一番のアイドルはトッド・ラングレンですが、トーマス・ドルビーがプロデュースしたプリファブ・スプラウトをはじめ、ちょっと日本ではマイナーなんだけど、本国では面白い存在として扱われてるようなマニアックなバンドもルーツです。

――YMOとかはあまり影響を受けてないんですか。

 僕らの世代はYMOも当然影響を受けています。僕は大好きでした。


●藤田千章「I Want Your Love」Music Video
https://www.youtube.com/watch?v=lXd5ZX56Aak