圧巻のパーフェクトゲームで日本中のド肝を抜いた令和の怪物。主な球種は2種類しかないとわかっていても、バットに当たらない。
規格外の投球を生み出す身体には、いったい何が隠されているのか。

「この調子でいけば、今季中にあと1〜2回完全試合を達成しても、全く驚かない。プロ野球史上最高の投手と言っても過言ではありません」
興奮気味に語るのは、野球解説者でロッテOBの得津高宏氏だ。

4月10日のオリックス戦で記録ずくめの完全試合を成し遂げて以降、日本中の野球ファンの話題は佐々木朗希(20歳)一色に染まっている。

プロ野球新記録となる13連続奪三振に、タイ記録の合計19奪三振。この2つの数字に注目が集まったが、当日のデータを見ると、その凄さが改めて浮き彫りになる。
たとえば、この日のストレートの平均球速は159・8kmで、オリックスの打者がかろうじて前に飛ばせた打球は、わずか8球だけ。

何より衝撃的だったのは、昨季まで2年連続の首位打者を獲得したスラッガー、吉田正尚があっさりと3三振を喫し、
「(球とバットの)接点がなかった」と敗北宣言をしたことだった。

吉田は規定打席に到達している打者のなかでも極端に三振が少なく、'20年は492打席に立って29個、
'21年は455打席で26個しか取られていない。いずれも、三振率は6%以下だ。

これはイチローの全盛期('97年、5・9%)と並ぶ数字であり、当代随一の選球眼の持ち主と言っていい。
その吉田が白旗をあげたというのは尋常なことではない。

さらに注目すべきは、佐々木が今季登板した3試合で記録した「奪三振割合(K%)」だ。

23回を投げて77人と対戦して42三振を奪い、54・5%。これは、驚異的な数字だ。

「シーズン通しての数字なので単純な比較はできませんが、江夏豊が'68年に401奪三振という空前絶後のプロ野球記録を樹立した時のK%が31・9%で、
この数字は53年間破られていない。

このままいけば、佐々木が大幅に塗り替える可能性もあります」(野球データに精通するブロガーの竹下弘道氏)
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