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2022.04.18 20:00
週刊ポスト

 梨元勝氏(享年65)が2010年に死去し、井上公造氏(65)が今年3月に引退するなど、芸能レポーターという職業は、もはや化石となりつつある。しかし、現場主義を貫く彼・彼女らがいたからこそ伝わるものもあった。ベテラン芸能レポーターの東海林のり子氏(87)と前田忠明氏(80)が、その仕事の意義について振り返った。

【全4回の第1回】

 * * *
東海林:忠ちゃん、久しぶりね。いつ以来?

前田:ジャニー喜多川さんのお別れ会の時かな。

東海林:忠ちゃんとはフジテレビのレポーターとして活動した時期も同じだったのよね。

前田:そのフジで坂上忍の『バイキングMORE』に代わって始まった『ポップUP!』は視聴率1%台の日があったって。他の番組を含め、東海林さんは今の情報番組やワイドショーについてどう思う?

東海林:生々しさがないのよね。

前田:そうだよね。パネルを出して、新聞記事を並べていく。そんなものは知ってるよ、新聞を読んでいるんだから(笑)。テレビでやる意味がない。

東海林:昔は事件や騒動があった時、必ず現場からレポートしていたわね。1980年代中頃から後半、山口組と一和会の暴力団抗争(山一抗争)があったじゃない? その頃、一和会の最高幹部を直撃したのよ。

前田:平気な顔で言うね、すごいよ(笑)。たしか、死者や負傷者が100人近く出た抗争だよ。

東海林:事務所のピンポンを押したら「組長は今、床屋に行ってます」と言うから、取材クルーと一緒に待っていたの。そしたら、組員2人が「親分が東海林さんに会うと言ってます」と飛んできた。「お邪魔します」と事務所に入ろうとしたら、ディレクターがビビって、「僕はここで待ってます」と尻込みするのよ。

前田:俺もそう言うかもな(笑)。

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