生キャラメルなどで有名な北海道中札内村にある「花畑牧場」で、ベトナム人従業員が不当な雇い止めをされたと主張している問題で3月18日、和解が成立したことがわかりました。

 この問題は、花畑牧場で働くベトナム人従業員約40人が、寮の水道光熱費を一方的に値上げされたことに抗議し1月26日にストライキをしたところ、不当な雇い止めをされたとして、撤回を求めていたものです。

 会社側は「当時、労働組合はなく、生産ラインを止める不当な争議行為を行った。就労拒否と職場放棄にあたる」として、リーダー的役割を果たしたベトナム人従業員3人(当初は4人)に損害賠償を請求していました。

 14日にはベトナム人側と会社側の団体交渉がありましたが主張が対立し、結論は持ち越されていました。

 ベトナム人従業員を支援する札幌地域労組によりますと、17日に花畑牧場側から「和解したい」と申し出があり、18日午後1時30分ごろ、札幌市内の花畑牧場側の代理人弁護士の事務所で、田中義剛社長が会社側が不適切な対応をしたことを認め、「申し訳ありませんでした」と深々とお辞儀をし、謝罪したということです。

 これまで主張していたベトナム人3人への損害賠償請求を取り下げることと、本来の契約期間である9〜10月までの給料は、解決金という形で支払う約束に加え、他のベトナム人従業員にも仕事のあっせんなどをし、支援していくとしています。

 また、花畑牧場が「音声データを切り取り報道され、花畑牧場に反感を抱かせるように誘導した」として、3人のベトナム人従業員に、名誉棄損罪及び信用棄損罪で道警に刑事告訴していましたが、こちらも取り下げるということです。

 19日午後2時ごろ、北海道帯広市で開かれた報告集会で札幌地域労組の三苫文靖書記長は「ベトナム人従業員は行動を起こして、労働の権利を守った。名誉が回復できてよかった」とコメント。

 ベトナム女性は「解決できてよかった。会社は残っているベトナム人にもちゃんと向き合っていってほしい」と話しました。

 花畑牧場はホームページで「円満に解決しました」として報告するとともに、「外国人労働者の受け入れ実績も浅く、対応や体制に至らない点があり、ベトナム人従業員に大きな不安を与えてしまいました。その後の対応も不適切と思える部分があり、多くの誤解や余計な心配を招く結果になってしまいました。深く陳謝いたします」などと謝罪。

 「今回の経験をもとに、当社の従業員がより良い環境で働けるよう最善を尽くすので、引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」とコメントしています。

UHB 北海道文化放送
https://news.yahoo.co.jp/articles/85f786117f9a8dad4746396b99913d7a3352fa2d