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なぞって写し取る「トレース」と盗むことを指す「パクる」という言葉を組み合わせて生まれたネットスラング「トレパク」は、ネット上で忌み嫌われる行為であり、トレパクが疑われるイラストやその作者が指摘される度に炎上状態となっている。トレパクはなぜ問題となり、炎上しやすいのだろうか。ネット上のトラブルに詳しい成蹊大学客員教授でITジャーナリストの高橋暁子さんに聞いた。

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●「心情的に裏切られたか」で炎上につながる

「初めて見たときから絵がきれいでうまくて尊敬していた。自分もそのくらいうまくなりたいと思って尊敬していたのに、トレパクしていたなんて……裏切られた気分。もうあの人の絵は見たくない」。

 トレパク疑惑が騒がれたあるイラストレーターの元ファンはこのように心情を告白する。

 そもそもトレパクとは、「トレース」と「パクリ」を組み合わせた言葉で、トレースした盗作行為を指す。トレースと模写は異なり、トレースとは元の絵を上からなぞる行為であり、模写とはお手本を見ながら似せて描く行為だ。そして、「トレパク」という非難することとセットのように使われている言葉のために誤解を受けやすいが、実は、そもそもトレースや模写自体に問題はない行為なのだ。

 たとえばトレースであると明らかにしていたり、参照した元の作品を明示していれば、「ファンアート」などと呼ばれ問題とならないことが多い。一方、他者の作品を無断でトレースし、トレースしたことを隠してオリジナル作品だと認識させたり、利益を得たりしている場合は、バッシング対象となる。

 気をつけなければならないのは、トレパクだと騒がれることと、著作権に問題を生じさせていることはイコールではない。著作権侵害かどうかは、以下の三点で判断される。

(1)既存の作品が「著作物」かどうか(著作物性)
(2)新しく作成した作品が、既存の作品に依拠して作成されたものか(依拠性)
(3)新しく作成した作品が、既存の作品に類似しているかどうか(類似性)

元の作品が他者の著作物だった場合は著作権侵害に当たる可能性があるが、罰則が生じるという意味では親告罪なので、権利者に訴えられて初めて違法の責任を問われることになる。そのため、親告されないなら問題が無いという勝手な解釈をする人たちも出現していることが、取り巻く状況をややこしく見せている面もある。

 これらのことを踏まえて、これまで「トレパク」として炎上した事例を振り返ると、正確には著作権侵害とは言えないものもあり、裁判で戦った場合は侵害に当たらない可能性が高いケースも混じっている。つまり、トレパクと騒がれてきた事象はほとんど、法的に問題か否かではなく、見た人たちがマナー違反と感じたり、裏切られたと感じるかどうかで、炎上につながってしまうのが実態だ。

ニュースポストセブン 3/6(日) 7:15
https://news.yahoo.co.jp/articles/14606dad0b3f2a44042e65e5ad4e134de3dccc43

1 Egg ★ 2022/03/12(土) 22:32:36.64
https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1647088118/