中小企業の電子化を支援する国の「IT導入補助金」を不正受給したとしてテレビ朝日の2社員らが大阪府警に逮捕された事件で、別の男性社員も同様の手口でホームページ制作会社とともに国に補助金を申請し、50万円を交付されていたことが11日、関係者への取材で分かった。

関係者などによると、男性社員は編成制作局などで勤務経験がある。産経新聞の取材に「また連絡します」とだけ話し、以降は取材に応じなかった。テレビ朝日広報部は「答えられない」としている。


事件をめぐっては、テレビ朝日の報道局報道番組センターデスク、奥山明宏容疑者(47)とセールスプロモーション局ソリューション推進部の三田研人元部長(49)=現社員=が逮捕されており、不正受給に関与した社員は3人に増える可能性がある。

関係者によると、男性社員は平成30年10月以降、自身が当時代表取締役だったさいたま市の会社がITツール導入に伴う補助金を申請するため、大阪市中央区のホームページ制作会社「ワールドエージェント」代表取締役、北川督(つかさ)容疑者(33)らとメッセージなどでやり取り。ツール導入に約100万円の経費がかかったとして、国から補助金50万円を交付された。男性社員は申請に際し、自分の名前が「(ウェブ上に)出ないようにしてほしい」とも要望していた。

登記簿によると、男性社員の会社は所在地が自宅住所と一時期同じで、平成30年〜令和元年に代表取締役として登記。事業目的には不動産所有や駐車場経営などと記している。

ワールド社のメッセージのやり取りには、男性社員とは別のテレビ朝日関係者について、奥山容疑者がワールド社に仲介したような文言があったことも判明。府警は社内で補助金の情報が広がっていた可能性も視野に経緯を調べている。

https://www.sankei.com/article/20220311-YNCW6HCUIFKT3MFIOVNVHXLP4M/