米国サッカー連盟が22日に発表したリリースが注目を集めている。サッカー女子代表が同連盟に「男子代表との賃金格差の是正を求める」と係争中だった訴訟が和解に至り、「約27億円を支払う」とアナウンスしたのだ。

 米国女子代表はW杯制覇4回・準優勝1回の実績を誇り、自他ともに認める世界女王。対して、米国男子代表のW杯最高成績は2002年大会のベスト8。圧倒的に好成績を収めているのは女子なのに男女間の賃金格差は大きく、W杯本大会で1勝した場合の勝利ボーナスは「男子150万円」に対して「女子50万円」と3分の1である。この歴然とした賃金格差は、日本代表にも当てはまる。

 日本男子代表がW杯で優勝した場合、選手1人当たり6000万円が支給されるが、女子は300万円とケタが違う。準優勝は男子4000万円で女子200万円、3位は男子2000万円に対して女子150万円、ベスト4は男子1000万円・女子100万円なのだ。

■W杯の勝利ボーナスは「男子の10分の1」

 W杯1試合の勝利ボーナスは男子の場合は300万円、引き分けると150万円。だが、女子は「男子の10分の1」(サッカー関係者)という。

「なでしこジャパンが11年W杯ドイツ大会で優勝した際、優勝ボーナスは選手1人当たり150万円でした。なでしこが国民栄誉賞を受賞するなど一大ブームとなり、さすがにJFA(日本サッカー協会)も看過することができず、特別ボーナスとして選手1人当たり600万円を支給しました。ちなみに4年後のW杯カナダ大会に準優勝した際の特別ボーナスは1人当たり350万円でした」(前出の関係者)

 なでしこジャパンの選手たちも「男子よりも世界大会で好成績を収めているのに賃金格差が甚だしい」と米国女子代表にならって訴訟を起こした場合、それなりの和解金をゲットできる可能性もあるだろうが、現時点では「訴訟に踏み込むような雰囲気はない」(関係者)。ただし賃金以外にも格差は大きく、待遇改善を求める動きは今後、出てくるだろう。

■代表専用チャーター機とエコノミー

「男子はW杯予選のアウェー戦に臨む場合、代表専用のチャーター機が用意され、現地では五つ星ホテルのシングルがあてがわれ、専属コックも帯同する。女子の場合、コロナ禍になってホテルのシングルに泊まっているが、基本的にはツインに選手2人が寝泊まりします。飛行機もエコノミーがベース。海外での大会などで好成績を収めた場合は、ビジネスにアップグレードされることもありますが……」(放送関係者)

 なでしこの今後の待遇は要チェックである。

日刊ゲンダイ 2/27(日) 9:06わ
https://news.yahoo.co.jp/articles/eca60472dfb9ed2b8f268e990038f447a0253b2c

写真 https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/r/iwiz-amd/20220227-00000013-nkgendai-000-1-view.jpg?exp=10800