国際オリンピック委員会(IOC)のトマス・バッハ会長が18日、北京五輪のメインメディアセンターで記者会見を行った。冒頭では、自身が観戦した15日のスノーボード女子ビッグエア決勝で、前日に左手甲を骨折しながらも超大技に挑戦した岩渕麗楽(20)=バートン=の名前を挙げ、「私はこの場面を一生忘れることはない。オリンピックの精神をまさに体現していた」と称賛した。

 岩渕は4位から逆転を期したラスト3本目、女子では史上初となる「トリプルコークアンダーフリップ1260」に挑戦。縦3回転を入れた超大技は惜しくも着地で転倒したが、会場中の度肝を抜いた。さらに、勇敢なチャレンジに驚いて走り寄ってきたライバル選手たちが、悔し涙を拭う岩渕と抱き合って敬意を表す、感動的な光景が広がった。

 会場で一部始終を目の当たりにしていたバッハ会長は「今まで経験したことがないほどの五輪精神を感じた。岩渕選手は前日骨折していたにもかかわらず、すごいジャンプをした。観客が息をのんだ。最後転倒したが、みんなが驚いた。全てのアスリートが走ってきて彼女を囲むようにハグした。私はこの場面を一生忘れることはない。オリンピック精神をまさに体現していた」と興奮気味に感動を伝えた。

 決勝当日には、バッハ会長から記念品としてスウォッチの五輪モデルの腕時計が贈呈されるサプライズもあった。惜しくもメダルには届かなかったものの、“バッハ賞”に岩渕は「(IOC会長に)見てもらえていると思わなかった…。(記念品を)もらえてうれしいです」と喜んでいた。

デイリー

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