映画を10分間程度に無断編集し、結末までの筋立てを明かす「ファスト映画」を動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿したとして、宮城県警は15日、著作権法違反容疑で神奈川県座間市相武台のユーチューバー高杉幸男容疑者(48)を逮捕した。

 
 ファスト映画をめぐっては、宮城県警が昨年6月に別のグループを全国で初めて摘発し、主導した男らの有罪判決が確定。今回は全国2例目とみられる。県警によると、高杉容疑者は「引用の範囲なので違法ではないと思っていた」と容疑を否認しているという。

 逮捕容疑は2021年1月31日〜7月1日ごろ、無許諾で韓国映画「パラサイト 半地下の家族」など映画3作品の映像を編集しナレーションを付けたファスト映画を、複数回にわたりユーチューブで公開した疑い。

 昨年10月、業界団体「コンテンツ海外流通促進機構」(東京)が県警に情報提供し、発覚した。同団体によると、ファスト動画の投稿は20年春ごろ急増。最盛期は50を超えるアカウントが存在し、作品が「ただ見」されたことによる被害額は約960億円に上ると試算された。