2022年2月12日
まいじつ

ジャンプが“禁断の漫画”を掲載?「これサムライ8だろ!!」と読者騒然

篠原健太の新作として注目を集めるラブコメ漫画『ウィッチウォッチ』。2月7日発売の『週刊少年ジャンプ』10号では、同作の作中作ネタとして『うろんミラージュ』という架空の作品が実際に掲載された。しかし、その内容が、あの“伝説の迷作”と酷似していたらしい。

今回掲載された「うろんミラージュ」は、作中で流行している学園バトル漫画という設定。「ざっくりいこうぜ!」という合言葉をはじめとして、アバウトな設定と曖昧なセリフ回し、煙に巻く演出…。作品を構成するあらゆる要素がフワフワとしている。

そこからジャンプ読者の中には、『サムライ8 八丸伝』の精神を読み取る人が。同作は“サム8”という愛称で知られており、『NARUTO』の岸本斉史による新作として注目を浴びながら短命に終わってしまった作品だ。

ネット上では《うろんミラージュ、これサムライ8だろ!!》《うろんミラージュ=サムライ8説は草生える》《うろんミラージュ読むとサム8思い出して笑ってしまう》《サム8思い出す台詞回しだった》《うろミラ、やってる事ほぼほぼサム8なんだよな…》などの声が上がっている。

あらためて浮き彫りになった「サムライ8」の問題点

「サムライ8」は大きな期待を背負いながら2019年に連載が始まるも、1年持たずに完結。連載当初からさまざまな問題点が指摘されていたものの、結局立て直すことはできなかった。今回の「うろんミラージュ」には、そんな「サムライ8」のダメな部分が凝縮されている節がある。

普通漫画の第1話では読者を惹きつけようとするものだが、「サムライ8」は出だしから複雑な用語を交えながら壮大な舞台設定を説明。その用語には和風なものとカタカナ語が無差別に入り混じり、世界観がフワフワとしており、まさに「アバウトな設定」そのものになっていた。

また、「曖昧なセリフ」が頻発していたことも記憶に新しい。「おまえは物事をあせりすぎる」「そうとも言えるし、そうでないとも言える」といったセリフは、“語録”としてネット上でネタにされている。

そんな同作のパロディーなのか、「うろんミラージュ」でも「どちらでもない」「そして」「そのどちらでもある」といった瓜二つの言い回しが。いずれも読者にフラストレーションを与える効果を生んでおり、漫画家の反面教師になりそうだ。

「うろんミラージュ」を手掛けた篠原健太は、『SKET DANCE』や『彼方のアストラ』などのヒット作を生んできた実力派作家。“漫画でやってはいけないこと”を熟知している彼だからこそ、奇跡のパロディーが成立したのかもしれない。

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