1/19(水) 19:59配信
スポーツ報知

芥川賞を受賞した砂川文次さん

 「ブラックボックス」(群像8月号)で第166回芥川賞に輝いた砂川文次さん(31)の受賞会見が19日、東京・内幸町の帝国ホテルで行われた。

 ラフなホワイトのシャツで登壇した砂川さん。「正直、まだ良く分かってないまま、あれよあれよという形でここに来ているので困ってます。以上です」と冒頭、戸惑い気味に話した。

 今回が初の顔出しとなったが、「嫌だなと思ってます。(顔出しNGは)端的に言うと、職業上の理由でした」と明かし、「書いている時の自分とこうして話している自分とが合致していない部分もあるので、うそもまじるかもと思います」と続けた。

 「人を掘り下げたいと思って書きました」と話した砂川さん。現代のプロレタリア文学と選考委員に評価されたことについて、「観念的にならずに実地で、その人にうかず離れずで書いていたと思います」と返答。この日も仕事を終えてから会見にかけつけたが、「(仕事は)これからも? そうですね」と話した。

 過去に自衛隊でヘリコプターを操縦していたこともある作家は「書いている時と他の時の自分が一致していないところがある。過去、経験した何かが書いたものに出てくるところはあると思うけど、目の前にあることに常に対処しようと思ってます。日々、目の前にあることに対処していくのが(作品の)身体性にもつながっていくと思います」と話していた。

 砂川さん元自衛官の経歴を持ち、2014年に陸上自衛隊操縦学生であった頃に書いた「市街戦」で注目を集め、16年「文學界新人賞」を受賞してデビュー。「戦場のレビヤタン」が18年下半期、「小隊」が20年下半期の芥川賞候補となり、今回3度目の候補入りだった。 (中村 健吾)

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