1/15(土) 5:15配信
東スポWeb

内村航平(左)と羽生結弦が夢の競演?(東スポWeb)

 夢プランが実現なるか――。体操で五輪2連覇を果たした内村航平(33=ジョイカル)が14日に引退会見を行い、今後も体操普及へ向けて演技を続ける意向を表明。抜群の知名度を生かした幅広い活躍が期待される中、過去に数々のアイデアを打ち出してきた日本オリンピック委員会(JOC)の小谷実可子常務理事(55)がスペシャル構想を明かした。内村を筆頭にあの冬の王者≠含めた採点競技のレジェンドたちを集結させ、究極の「美の祭典」を実現させたいという。

 会見では思い出が詰まったゆずの名曲「栄光の架橋」に乗って入場。30年の競技生活を「人生の半分以上、日の丸を背負ってやってこられたのは誇り」と振り返った。

 3月12日には前例のない引退試合「KOHEI UCHIMURA THE FINAL」(東京体育館)を開催。抜群の求心力≠誇るだけに、多数の選手が集まる「体操の祭典」になることは必至だが、このようなイベントが発展し、将来的には他競技を巻き込んだ大規模な「オールスター」になる可能性が浮上している。

元シンクロ女王≠フ小谷氏は「いろんな競技のオリンピアンが連携したイベント。ぜひ実現させたいですね!」と目を輝かせる。1988年ソウル五輪シンクロナイズドスイミング(アーティスティックスイミング=AS)で銅メダルを獲得。シンクロブームを巻き起こし、東京五輪では組織委員会スポーツディレクターとして多くの企画を生み出した。今回、内村の引退を機に「夢の構想」がひらめいたというのだ。

 まず小谷氏は内村について「記録も素晴らしいですが、何より体操が美しい。私たちの競技(AS)も苦しい中で『美』を意識しますが、彼は難しい技をやりながらつま先までこだわり、演技全体が一つのオーラにまとわれている。どんな激しい海外選手の技を見ても感じない魅力がありますね」と大絶賛。そして、思いついたようにフィギュアスケート界の絶対王者・羽生結弦(ANA)の名前を挙げた。

「羽生さんも内村さんと同じものを感じます。ジャンプに邪念がなく、回転した後は空中から舞い降りる感じ。採点競技なのに2人とも得点を超えた部分で『神』と言われ、競技を極めた人にしかない世界がありますね」

 さらに「別格」の2人がコラボするという夢のプランを小谷氏は興奮気味に披露した。「まだ妄想ですが…考えていることがあるんです。ちょうど今、体操界と水泳界はそれぞれ新しい試みを進めていますよね。競泳の選手はASを経験して『水の中でこんな頭を使うのは初めて!』と発見したりする。これをもっと広げて、水泳と体操の他にもフィギュアスケーターやダンサーも呼んだらすごいエンターテインメントになりますよ」

 今月21〜23日に開催する「KOSUKE KITAJIMA CUP」(東京辰巳国際水泳場)では、最終日に小谷氏が率いるASレジェンドチームと競泳オリンピアンが競演。また新型コロナウイルス感染拡大で2月20日の開催予定から延期となったが、日本体操協会の水鳥寿思強化本部長が主催する「〜体操発スポーツエンターテインメント〜CRISTALLO」は体操&新体操の元日本代表選手らがエキシビションショーを行う。どちらも史上初の試みで「これをきっかけにして」と小谷氏は採点競技アスリートによる「美のオールスター」を夢見ているのだ。

 内村と羽生は「一流」の境地でつながる。人類初のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦中の羽生は、鉄棒でH難度の大技・ブレトシュナイダー(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)にチャレンジする内村について「刺激になっている」と発言。それを聞いた内村は「すごく似ている部分がたくさんある」と話し、引退会見でも羽生について「高い人間性」と敬意を払った。

 もし小谷氏の構想が実現すれば…。氷上の真ん中にマットと鉄棒を設置し、名曲「栄光の架橋」に乗って羽生が4回転半を跳び、内村がブレトシュナイダーを繰り出す。もちろん得点という野暮なものはなく、ファン一人ひとりが心の採点≠行う。世界一の実力と知名度を持つキングなら、史上初の「美のオールスター」実現へ大きな力になりそうだ。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/258232e4ddde7668906164bcd9bbfee4eab1e811