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油屋は本人たちが流布してるんだぞ

■「PREMIERE 日本版 2001年9月号」 宮崎駿インタビュー

もともと日本は、性に対してあっけらかんとしたものでしたから。
ヨーロッパ人から、なんて貞操観念がないんだと呆れられて性道徳を押し付けられるまではね。
何もそれを復活しようと言ってるわけじゃないんですが、いまの世界として描くには何がいちばんふさわしいかと言えば、それは風俗営業だと思うんですよ。
日本はすべて風俗産業みたいな社会になっているじゃないですか。
いま女性たちは、売春窟に似合いそうな人がものすごく増えてる国なんじゃないかと思いますね。
男はといえば、僕は徳間社長の葬儀の委員長をやったんですが、目の前を通る偉い人もそうでない人も、
似合いもしない背広着て歩いていると、みんなカエルに見えたんですね。
立派に見える人なんて一人もいない。
もはやカエル男とナメクジ女の国ですよ。映画の中では結局それなりに描いていますけど(笑)。

■「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ 4」

ぼくの知り合いでキャバクラが大好きな、某角川書店の偉い人なんですけど、こいつがもう、ほんとうに大好きでね。
「なんで、そんなとこばっか行くの?」って言ったら、キャバクラの女の子ってもともと、コミュニケーションが本来上手じゃないんだと。
そういう子に限って、そういうとこで働きたがる。ところが、要求される仕事内容は、コミュニケーションを取ること。
そうすると、やっていくうちに元気になっちゃうんですよ、って話をそのまま宮さんに話したんです。
そしたら、そこから『千と千尋』ですよ。
だから、油屋って風俗のつもりなんですよ、宮さんにとっては。
宮さんの中のソープランドですよね。なかなか恥ずかしくて、そういうとこに行けない人だから。
神様を接待するっていうのは、言い方は良いですけど、何をやっているかっていったら、そういうことですよね。