将棋の順位戦A級7回戦が1月7日に行われ、斎藤慎太郎八段(28)が羽生善治九段(51)に93手で勝利、今期無傷の7連勝を飾り、2期連続での名人挑戦に大きく前進した。2番手につける糸谷哲郎八段(33)が12日に対局、ここで敗れると斎藤八段の挑戦が決まる。また敗れた羽生九段は2勝5敗となり、29期連続となっているA級以上の維持が、かなり厳しくなった。

 昨期のA級初挑戦でも8勝1敗と好成績を収め名人挑戦を果たした斎藤八段だったが、今期もその勢いが止まらない。先手番から相掛かりの一局になると、序盤・中盤・終盤と少しずつポイントを稼ぐと、6時間の持ち時間を効率的に使い、隙なくリードを拡大する盤石の指し回し。対戦相手の対策をこれまで以上に入念に進め、序盤から有利に進めようとする作戦が奏功し、名人挑戦に大きく前進する1勝を手にした。

 一方の羽生九段は、A級陥落の大ピンチだ。残り2局を勝っても4勝5敗のため今期の負け越しが決定。また前期の成績をもとにした順位も10人中8位と低いため、勝敗数で並んだ場合は“頭ハネ”で降級となるケースも考えられる。名人9期を含み、実に29期も続けてA級以上を保ってきたレジェンド棋士だが、棋士の大きなステータスとなっている「A級棋士」という座から離れることになるのか。挑戦権争い以上にリーグ終盤の焦点になりそうだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
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