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2021年12月30日
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 今年の「NHK紅白歌合戦」の目玉は「マツケンサンバII」と“けん玉”だけ? 史上最低の視聴率を危惧する声もある。その上、なぜか2年ぶりに総合司会を務める、NHKのエース・和久田麻由子アナ(32)を心配する人もいる。

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 発表された「第72回NHK紅白歌合戦」の出場者を見渡すと、いわゆるお馴染みの顔が少ないことに驚かされる。

 紅組で2桁出場は、石川さゆり(44回)、坂本冬美(33回)、天童よしみ(26回)、松田聖子(25回)、水森かおり(19回)、Perfume(14回)の6組。

 白組はさらに少なく、郷ひろみ(34回)、氷川きよし(22回)、福山雅治(14回)、ゆず(12回)、関ジャニ∞(10回)の5組だ。

 AIの美空ひばりは望まないけれど、五木ひろし(50回出場)は辞退し、北島三郎(50回)、森進一(48回)、小林幸子(33回)も今はいない。民放プロデューサーは言う。

「Perfumeと関ジャニがベテランの域なのですから、演歌系がいなくなるのも無理ないでしょう。中高年視聴者にとっては、初登場のBiSHとDISH//の区別がつかないかもしれません。今年の紅白は、『マツケンサンバII』と三山ひろしの“けん玉”ギネス記録くらいしか見応えはないかもしれませんね」

 となれば気になるのは視聴率だが、

「40%はおろか、歴代最低の数字を更新するかもしれません」

■和久田アナVS桑子アナ

 まだスペシャルゲストの発表だって控えているのに、ずいぶん厳しい見立てだ。

「スペシャルゲストによっては、一瞬だけ数字が上がることもあるでしょう。しかし、全体を通せば数字は下がるでしょうね。総合司会の和久田アナも心配ですね」

 和久田アナといえば、「ニュースウォッチ9」のキャスターを務めるNHKの夜の顔である。朝の顔である「おはよう日本」の桑子真帆アナ(34)とともに、NHKのWエースとも言われ、18年の紅白から桑子アナと和久田アナが交代で総合司会を務めている。

「今年の東京オリンピック中継でも、開会式は和久田アナ、閉会式は桑子アナが担当するなど両女王と呼んでもいいでしょう。ただし、五輪中継の評価は明暗を分けました。和久田アナは安定したアナウンス力はもちろん、台湾の選手団が入場した際には『チャイニーズ・タイペイ』ではなく、敢えて『台湾です!』と紹介して評価されました。一方、桑子アナは、アーティスティックスイミング(シンクロナイズドスイミング)の日本代表が姿を見せると、『あー! マーメイドジャパン、“新体操”のみなさん!』と言ってしまいました」

 ならば、和久田アナで問題ないはずだ。

■紅白に求められるもの

「報道なら和久田アナで言うことはありません。落ち着いた声と的確な表現は完璧と言っていいでしょう。ところが、紅白は大晦日のお祭りです。視聴者だって大いなる娯楽とハプニングを求めています。過去の紅白だって“やらかし系”のほうが記憶に残っていますから」

 紅白のハプニングと言えば、84年の“ミソラ事件”が名高い。この年、引退を表明した都はるみのラストステージが紅白大トリとなり、紅白史上初のアンコールが行われた。NHKホールが興奮に包まれる中、総合司会の生方惠一アナはこう言った。

「もっともっとたくさんの拍手を! ミソラ……」

 慌てて、言い直したものの、よりによってライバルと言われたこともある美空ひばりと言い間違えてしまい、アンコールの余韻も吹き飛ばすこととなった。

「この年の紅白の視聴率は、平均78.1%と驚異的な記録を残しました(ビデオリサーチ社調べ、関東地区、世帯:以下同)。86年に白組キャプテンを務めた加山雄三は、白組トップバッターの少年隊『仮面舞踏会』を“仮面ライダー!”と紹介したこともありました。06年にはDJ OZMAのバックダンサーの衣装が裸に見えると問題になったこともありましたが、これらも高視聴率を上げています。お祭りなんですから、むしろ少しくらい言い間違えやハプニングがあったほうがいいんですよ」