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2021年12月28日
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 アマゾンプライムビデオの恋愛リアリティ番組「バチェラー・ジャパン」をめぐって不穏な動きが起きている。今月配信が終わったばかりのシーズン4に出演した女性が、“出演者の人権が守られていない”と、SNS上で制作側への批判を繰り返しているのだ。収録現場で何が起きていたのか。「デイリー新潮」の取材に、女性が人気リアリティショーの“ウラ側”を初めて明かしてくれた。

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シーズン4まで到達した日本版「バチェラー」

「『自分から飛び込んで行ったんだから仕方ないんじゃない』と言う人もいました。けれど、私が目にした現場は、想像していたリアリティショーの許容範囲をはるかに超えたものでした。出演者の人権を軽視した制作の実態に気づきながら黙っていていいのだろうかと悩みに悩み抜き、Twitterで告発を始めました」

 こう語るのは、「バチェラー・ジャパン」シーズン4に出演した社会学者の松本妃奈子さんである。

(略)

 番宣が始まった10月上旬、出演者の松本さんが「番組は人権を軽視している」などと批判ツイートを始めたからである。松本さんのTwitterアカウントには誹謗中傷コメントが殺到。精神を病んでしまった松本さんは、最終話が配信された直後の12月中旬に「もう日本にはいられない」と海外へと旅立ってしまったのだ。

 それでは松本さんの話に入っていこう。松本さんは17歳で国立大学に飛び級入学した後、家族社会学で修士号を取得した才媛だ。留学経験も豊富で、アメリカでホワイトハッカーの認定も取得。大手通信会社を経て、現在はコンサル業を営みながら、博士後期課程に在学している。プライバシーに配慮し、現在、彼女が滞在している国名は明かせない。取材はZoomで行った。

 応募したきっかけは、友達の勧めだったという。

「番組を観たことがなかったんですが、結婚をゴールとしていると知って興味が湧きました。私は家族社会学者で結婚も研究テーマ。婚姻制度に対しては、LGBTQなどの属性によってメリットを享受することができない不公平さがあるという考えを持っています。そんな社会学者がバチェラーに参戦したら“面白いじゃん”って友達が言い出したのです」

 書類審査を通過し、東京・新宿のオーディション会場に赴いたのが2020年1月ころのこと。松本さんは周囲を見回し、自分との熱量の差に「びっくりした」と振り返る。

「みんなガチガチで、“番組に出て有名になりたい”って意気込みがひしひしと伝わってきました。グループディスカッションで監督が、わざと試すように『はい、不合格』って女の子に投げかけたりする。すると、泣き出しちゃう子もいて……。一方、横のブースからは、『そんなんじゃダメ、もっと激しく行かなきゃ』と煽っている様子も聞こえてきた。やはり、恋愛バトルをするコンセプト上、女の子にアグレッシブな姿勢が求められるんだなと思いながら聞いていました」

「お前の水着姿は水着じゃない」
 
(略)

 ようやくタイのプーケットで収録が始まったのは、今年4月のこと。旅行期間はどの段階で脱落するかによって変わるが、3週間から2カ月。これに現地入国後、10日間の隔離期間も加わる長いロケであった。

「まず現地に入ると、情報漏えいや参加者同士の探り合いなどを避けるため、スマホ、PC、電子ブックなどのデバイスは、スタッフたちに強制的に預けさせられます。もともと聞いていたし、番組の性質上、仕方ないことなのは分かります。でも、実際、いきなりスマホを取り上げられて、異国のホテルに10日間も缶詰めにされたらどうなるか、想像してみてください。収録が始まる前から、すでにストレスフルな状態となっていました」

 松本さんは渡航前から、制作側に対する不信感を持っていた。1年もの間、定期的に打ち合わせをする度に「体型の状況」について聞かれ、「痩せたほうがいい」と言われ続けてきたからだ。スタッフから笑顔で「お前の水着姿は水着じゃない」とも言われたこともあったという。

「本番では水着になるシーンが多い。容姿が綺麗な女性を並べたいという番組側の意図も分からないではないのですが、彼らの言動はルッキズムにもつながるし人権的に問題だと考えていました」 

(以下略、全文はソースでご確認下さい)