読売新聞2021/12/26 21:30
https://www.yomiuri.co.jp/hakone-ekiden/news/20211220-OYT1T50169/

 「函嶺(かんれい)」とは、箱根山の異称だ。

 函嶺洞門(かんれいどうもん)は、箱根湯本駅から山に向かって700メートルあたりにある。国道1号線の落石防止のため、1931年に完成したトンネル状の構造物だ。全長約170メートル。片側が支柱で支えられ、外が見えるデザインは中国の王宮をイメージしている。

 箱根駅伝のランナーたちは、長らく函嶺洞門を駆け抜けていた。ただ、道幅が狭くて老朽化も進んだため、2014年にう回路が整備され、函嶺洞門は通行禁止になった。箱根駅伝も第91回大会から、バイパスを走るコースに変更された。現在のランナーたちは、門の前を駆け抜けてゆく。

 この付近は、山登りの5区では本格的な山登りにさしかかる場所にあたる。復路の6区の場合は、急な下りの山道が終わって緩やかな下り坂が中継所まで続くところだ。山を駆け下りてきた選手たちは、身体が平地走行の感覚を取り戻せないまま、実際は下っているのに、まるで坂を上っているような苦しみに見舞われることもあるという。