2021年12月25日
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 今月11日に茨城で行われたスケートボードの日本選手権。

 大会の様子はニュースなどで盛んに報じられた。

「ひとえに五輪で行われる競技だからでしょう」

 と大手紙デスクが語る。東京五輪で5個のメダルを獲得するなど日本が強い競技でもある。強いといえば、2024年パリ五輪での実施が決まっている「ブレイキン(ブレイクダンス)」も然り。4日に同地で行われた世界選手権女子決勝は日本人同士が対決し、金銀を分け合った。男子も、ユース五輪メダリストが輩出しており、五輪本番が楽しみだ。

 一方、日本が強くても、パリ五輪で不採用となった「空手」は悲惨である。

「先月末に世界選手権がドバイで、今月11〜12日に日本選手権が東京で行われましたが、取材記者は激減。有力選手をマネジメントしていた電通も来年から手を引くそうです」

 たかが五輪、されど五輪。スポーツ競技にとって五輪に採用されるか否かは死活問題なのだ。決めるのはもちろんIOC。その理事会が9日に開かれ、28年ロサンゼルス五輪の実施競技が発表された。件の「スケボー」に加えて「スポーツクライミング」「サーフィン」が新たに選ばれている。

■代わりに落選となるかもしれない競技は

 この3競技は東京五輪でも実施されたが、

「それは開催都市枠による追加競技として。今回の決定で、開催都市の意向によらず実施される正式競技に昇格しました。視聴率低下を危惧するIOCは、若者に人気があり、テレビ中継向きのエンタテインメント性の高い競技を増やそうとしているのです」

 代わりに押し出されたのは「重量挙げ」「ボクシング」「近代五種」の3競技。落選が決まったわけではないが、保留扱い、つまり瀬戸際である。

「重量挙げはドーピングの蔓延が、ボクシングは判定の不透明さと国際連盟のガバナンスが問題視されています。近代五種は低い認知度と競技が多くて運営費が高い点が嫌われています」

 競技団体は先手を打って、五輪では五種のうち馬術を行わないと決定したが……。近代五輪を創始し、この競技を考案したクーベルタンは泉下で嘆いているだろう。