2026年にカナダ・メキシコとともにFIFAワールドカップを開催するアメリカ。

『Daily Mail』によれば、そのアメリカでサッカーがアイスホッケーを抜いて、人気スポーツの4位に躍り出たという(1位アメリカンフットボール、2位バスケットボール、3位野球)。

アメリカでの人気、競技人口、観客数、市場価値、観戦意欲において、サッカーはアイスホッケーを凌駕しているそう。また、サッカーは3位野球との差を大きく縮めており、2026年W杯の共催が大きなブーストになりえるとのこと。

Daily Mailのスポーツアナリスト

「現在、サッカーは人気面でアメリカで4位のスポーツ。アイスホッケーを上回った。

途方もないサッカー人気の飛躍の影響だ」
調査会社のアンケートによれば、アメリカのスポーツファンの49パーセントがテレビでのサッカー観戦が好きだと答えたそう(アイスホッケーは37%)。

また、競技人口でもサッカーは1780万人とアイスホッケーの230万人を凌駕。サッカー人気の上昇は、必要なのはボールだけというやりやすさも理由のひとつだそう。

さらに、放映権料の金額でもサッカーはアイスホッケーを上回っている。来シーズン以降、アメリカでのサッカー放映権は合計で10億ドル(1133億円)を超える可能性がある(MLS、プレミアリーグ、セリエA、ラ・リーガ、ブンデスリーガ、UEFAコンペティションなどの合計)。

アナリストによれば、サッカーの視聴者層は増えており、他スポーツのファンよりも若く、裕福で、デジタルへの移行を望んでいるため、魅力的な存在になっているという。

Daily Mailのスポーツアナリスト

「デジタルへの移行は、NBCがプレミアリーグに多額の金を払っていることの理由の説明にもなる。

5つの企業がストリーミング戦争で互いに争っている。

人々はケーブルテレビの契約を解除している。“コード・カッティング(ケーブルテレビからネットへの移行)”は、アメリカで現象になっている。

人々はストリーミングサービスを受けるためにケーブル契約から逃げ出している。ヨーロッパではアメリカのような現象はない」
そして、サッカーはアメリカで国民的人気を誇る野球との差も着実に縮めているそう。

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「Ampere」の分析によれば、アメリカのスポーツファンたちはサッカーよりも野球をテレビ観戦するのを好むそう。また、平均観客者数でも、MLBがMLSを上回っている。昨年の野球の競技人口は1570万人とサッカーより少しだけ少ない。

ただ、放送局やマーケティング担当者たちは、興味深い人口統計に注目しているそう。

アメリカにおけるMLBファンの年齢中央値は57歳、アメリカンフットボールは50歳、プレミアリーグのファンは43歳、バスケットボールファンは42歳。より若いファンベースを持っていれば、そのスポーツへの永続年数が保証される。また、若い視聴者は放送局側が求める新たなテクノロジーを使う可能性も高い。  

現在、MLBの放映権は年15億ドル(1700億円)とサッカーの2倍の額を誇っているが、来年には新たな契約が結ばれるため、その差は大幅に縮まる。また、サッカー放映権の増額分は野球の増額も大きくなる見込み。

さらに、現行のプレミアリーグの放映権サイクルが終わるとサッカーのデジタルサービスはしっかりと確立されるが、他のアメリカスポーツは遅れをとっている可能性があるとのこと。

そうしたなかで迎える2026年のW杯開催は絶好のタイミングになると考えられている。ただ、W杯や海外リーグへの関心が必ずしもアメリカ国内サッカーに利益をもたらすとは限らないとも。

サザンユタ大学のスポーツエコノミストであるデイブ・ベッリ氏は「アメリカでサッカーへの関心は飛躍的に高まっています。ただ、MLSにとってはいいニュースではありません。もし、プレミアリーグにそのような資金を投じるなら、MLSはより厳しいことになるでしょう」と述べている。

2021/12/12 11:00
https://qoly.jp/2021/12/12/soccer-to-chase-down-baseball-iks-1