毎日新聞 12/11(土) 7:30

 俳優の香取慎吾さん(44)が太平洋戦争開戦80年を特集した実録ドラマ「倫敦(ロンドン)ノ山本五十六(いそろく)」(NHK総合=30日午後10時)で、人生2度目の丸刈りで主人公の海軍提督・山本五十六役に挑む。五十六は開戦の契機になった真珠湾攻撃を立案、指揮したことで知られるが、米国留学の経験から勝機のなさを痛感し、対米戦を回避するために苦闘してきた人物でもある。今回描かれるのは英雄視される以前、海軍という組織の中でもがき続けた「山本五十六像」。香取さんが役に込めた思いを語った。【稲垣衆史/学芸部】

 ◇1度目は「新選組!」。その理由は…

 「(五十六は)いろんな先輩が演じ、作品を見てきた。自分が役をやらせてもらう時が来たのかという大きさに最初はプレッシャーを感じました」。NHKのドラマ出演は、近藤勇役で主演した大河ドラマ「新選組!」(2004年)以来17年ぶり。3週間の撮影中は忠実に再現された衣装などスタッフのプロぶりに驚いたといい、「現場に足を踏み込んだだけで、自然と役や場所に僕を連れて行ってくれるようだった」と振り返った。

 「芝居は緊張して苦手」という香取さんだが、「これまで一つの役に対して本当に丸刈りにするくらいの気持ちで挑んだことはあまりなかった。少し時間にゆとりもできた中で、『そんな役もできたらな』と話していたところに偶然お話をいただいた。自分が演じたいと思い描いていた役の中でもトップ・オブ・トップで、びっくりしました」。

 ちなみに、初の丸刈りは「新選組!」主演が決まった時。1年以上カツラをつける生活のため髪形は問われないと「モヒカン」にしたが、周囲から怒られてすべて刈ったという。「丸刈りで制作発表会見に臨んだので、強い思いで頭を刈ったんだなと、当時は思われたけど、実はめちゃくちゃ怒られて刈ったんです」。そんなエピソードで場を和ませた。

 ◇「いいえ」がない戦時中の雰囲気

 物語の舞台は開戦前の1934年。海軍少将だった五十六は米国ら列強と軍縮交渉に臨むために首席代表としてロンドンに向かう。交渉決裂を回避する道を探り続けるが、軍拡を望む海軍上層部の思惑の間で厳しい決断を迫られ、ある秘策に打って出る。

 国家の命運を背負った五十六役を語る中で何度も口にしたのは戦争へと傾いていく時代の雰囲気。「どこか背筋を正している部分があって、どんな時もほぐれていなかった。もうちょっとほぐしてもいいのかなと思うことはあったけど、時代がのしかかってくる感じ。結局、自分で緩むことを引き留めた部分が多かったです」

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https://news.yahoo.co.jp/articles/54d071dbb03f4889c7e3fa28b3b196764da1a7ce
山本五十六を演じる香取慎吾さん
https://i.imgur.com/cDtZBSl.jpg