スペイン1部マジョルカの日本代表MF久保建英(20)が、いよいよ保有元のレアル・マドリードへの復帰を確実にしつつある。5日の強豪アトレチコ・マドリード戦で途中出場した久保は、後半アディショナルタイムに劇的な決勝弾。待望の今季初ゴールで、右ヒザ負傷からの完全復活をアピールした。改めて実力を証明し、来季は名門でのプレーが実現することになりそうだ。

 久保は後半29分からピッチに入ると、1―1で迎えた後半アディショナルタイムにカウンター攻撃から抜け出し、ドリブルから相手GKとの1対1を得意の左足で冷静に決めた。強豪Aマドリードを相手に値千金の決勝弾で、現地では絶賛の嵐。マジョルカでインパクトを残していることで、世界屈指の名門で来季プレーすることが確実な状況になってきた。

 これまで懸案だった国籍問題は解消のメドが立っており、現在RマドリードでEU圏外枠のFWビニシウスはまもなくスペイン国籍を取得し、DFエデル・ミリトン、FWロドリゴも同国籍を取得する手続きを開始。スペイン紙「ムンドデポルティーボ」は「Rマドリードは久保のクオリティーを把握し、来年チームの一員となる新たな機会が与えられる」と復帰を確実視している。

 さらに、ここにきて新たな動きも出てきた。大手広告代理店関係者は「いくつかの日本企業がRマドリードと契約の話をしている」と指摘。久保が来季プレーすることを前提にして新たなスポンサー契約の交渉が水面下で進んでおり、クラブ側が復帰を既定路線≠ニして扱っているのだ。

 すでにスペインメディア「ディアリオゴル」が、フロレンティーノ・ペレス会長が日本やアジアでの宣伝効果を期待して久保の復帰を猛プッシュしていると報じていたが、ついに具体的な動きが出てきたというわけだ。

 久保はAマドリードを撃破する一撃が、優勝を争うRマドリードをアシスト≠キる形になり「僕はマジョルカに所属していて、マジョルカのことだけを考えている」とした上で「ただ、彼ら(Rマドリード)を助けることができるのなら、同じく喜ばしいこと」と保有元の名門を意識した注目発言=B来季の復帰願望を間接的にアピールした。

 強豪を相手に決定的な仕事を果たした意味は大きい。Rマドリードが久保に太鼓判を押したことで、いよいよ銀河系軍団の一員となる日が近づいてきた。