NHK社会部副部長と記者を懲戒処分 取材で得た資料を外部に提供


NHKは3日、記者が取材で得た資料を外部に提供したとして、報道局社会部の40代の男性副部長を出勤停止5日、30代の男性記者を同3日の懲戒処分にすると発表した。

雇用調整助成金を不正受給したとされる旅行会社の取材で得た資料を、不正を調べる第三者委員会に提供したという。


NHKによると、記者は旅行会社「ワールド航空サービス」(東京)が、新型コロナの影響で従業員を休ませた事業者への助成金を不正受給した問題を取材。
この問題を調査する、同社の第三者委委員長の弁護士を取材した際、不正を示す資料の提供を依頼された。


記者から相談を受けた副部長は、情報提供者の秘匿などを指示した上で提供を許可。
記者は情報提供者の同意を得て、取材で得た社員の検温記録の資料を委員長に渡した。副部長は上司に報告しなかったという。

NHKは「放送ガイドライン」で、取材資料は原則、放送目的以外に使わないと定めている。

2人はNHKの調査に「客観的な調査が進むことを期待した」と話して事実関係を認め、副部長は「情報提供者を守ることに注意を向けるあまり広い視野に立てなかった」、
記者は「ルールの例外にあたるという誤った理解をしていた」と話しているという。


https://news.yahoo.co.jp/articles/831a963f1488b73b0d8d60cbd47b5217134fc925