スポーツ 野球 2021年11月15日掲載
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 今季限りで11年の現役生活にピリオドを打った斎藤佑樹氏(33)。引退セレモニーで「きっとまた、お会いしましょう」とあいさつし、11月1日に開設したインスタのフォロワーは既に7.3万(10日現在)。日ハム時代からの人気にあやかって報道各社が争奪戦を展開している中、NHKが一歩リードなのだという。

 斎藤氏は10月31日、NHK Eテレで放送された東京6大学野球の早慶戦の中継にゲスト解説出演。テレビ欄にはその名がなく、サプライズ風に登場した格好だった。

「デビューにはもってこいの舞台でしたね。彼は早大野球部の100代目の主将として、2010年秋の慶応との優勝決定戦に先発して優勝に貢献。試合後の“持っているのは仲間です”という名言は、流行語大賞で特別賞を受賞しました。31日の放送では、慶応との当時の戦いを振り返る場面もあり、感慨深そうでしたね」

 と、NHKの局員。

 それに先立つ19日には同じNHKのクロ現で、高校・大学の1年先輩に当たるディレクターが密着を続けてきたドキュメンタリーが報道された。

■チャラいバラエティは

「なかなか突っ込んだ内容でした。ディレクターが“1軍で1回も投げていない斎藤がなぜ契約更改できるのか”と尋ねると彼は、“世の中的にみていわゆる不公平だとか、そういうのを感じる人がいるのもわかりますけど、ただこれ僕の個人の意見なんで僕だけのことを考えて言うと、僕はただ野球をしたいだけです”と返していました」(先の局員)

 ディレクターが「球団も何で斎藤を戦力として契約しているのか?」とさらにツッコむと、斎藤氏は「僕も知りたいです」と応じ、チームの編成に関わってきたコーチに取材をかけるシーンもあった。コーチは「特別扱い、もちろんされた部分というのはあったのかもしれないけど、特別扱いしてもらうことも実力」と答えていた。

「この番組は先輩・後輩の関係から生まれたものでしょうし、早慶戦はベストなタイミングだったということなんでしょうが、それ以上に斎藤氏がNHKをかなりひいきにしているというか、好きなんだなぁという印象があります。そのあたりは両親の考えもあってのことなんでしょうね。話題の人だけに引くてあまたで、チャラめのバラエティからも出演依頼があるようですが……」(同)

■ナショナルクライアントとの広告契約

 もちろん他局も手をこまねいていたわけではない。特に報ステ(テレ朝)は日ハムと浅からぬ縁がある。前監督の栗山英樹氏や侍ジャパン監督として金メダルを獲得した稲葉篤紀・日ハムGMがコメンテーター務めていたからだ。

「特に栗山氏と斎藤氏の関係は特別で、栗山氏は彼の現役時代、その再生を何とか実現したいとあれこれと腐心してきました」(スポーツ紙デスク)

 もちろん、その関係は今もなお堅固なもので、

「斎藤氏が報ステに出演することもないわけではないでしょうし、どこかに専属ということもないと思いますが、NHKでの出演を優先的に考えているようです。早慶戦でのゲスト出演での語り口はNHK側の評価も高かった。今後、ナショナルクライアントとの広告契約まで見据えると、それがベターな選択でしょう」(同)

 その見方を前提にすると、これからの仕事はどうなっていくか?

「ひとつ噂されているのは、来年2月の北京冬季五輪関連でのコメンテーター起用です。冬季だから野球は関係ないんですけど、各競技の代表へのインタビューもこなせるでしょうし、仕切り役のアナウンサーがいる中で安定感のあるコメントも話せるように思います。いずれキャスターとしての仕事もあるかもしれませんよね」

「きっとまた、お会いしましょう」と言った斎藤ブランドの力がどんどん高まっていきそうだ。