W杯カタール大会アジア最終予選のサウジアラビア戦とオーストラリア戦が10月7、12日にアウェーと埼玉スタジアムで行われる。初戦のオマーン戦で苦杯を喫し、ガチガチに守りを固めた中国にも苦戦を強いられ、1勝1敗の森保ジャパンにとっては前半戦の大きなヤマ場となる。月刊ラモスのラモス瑠偉編集長は「鍵はボランチ守田の起用」と、負けられない2連戦のポイントを見据えた。

ラモス編集長ゲキ押しの守田

◇長友の古巣復帰は日本サッカー界の発展につながる

 うれしいニュースが飛び込んできた。長友佑都のFC東京復帰だ。神戸入りした大迫勇也、浦和入りした酒井宏樹に続く日本代表を支えるベテランたちのJリーグ復帰。これまで私はことあるごとに、欧州で活躍する選手たちがJリーグに復帰することが、日本サッカー界の発展につながると訴えてきた。彼らが欧州のトップリーグで蓄積した経験は、加入したクラブだけでなく、日本サッカー界にとっても大きな財産となる。

 彼らのサッカーに対する考え方、練習での取り組み、その一挙手一投足すべてが、若い選手にとって手本となる。実際、酒井が加入して浦和のサッカーに変化をもたらしはじめたし、長友復帰がFC東京にこれまでになかった刺激を与えている。

 Jリーグが発足した当初、ジーコ、ドゥンガ、ジョルジーニョ、サンパイオらブラジル代表のほか、多くのスーパースターが来日し、日本サッカーのレベルを押し上げた。彼らに接することで、プロフェッショナルとは何なのかを学び、多くの刺激を受けた。

 1993年の誕生から28年、多くの日本人選手が世界に飛び出し、世界のトップレベルで活躍するようになった、かつての外国人選手の果たした役割を、海外で実績を残した日本人選手が果たす。日本サッカーの成長の証しであり、素晴らしい循環を生み出している。

 同時に、復帰した選手にとっても大きなプラスになるはずだ。代表招集の際、試合勘を含めたコンディションを整えやすい。アジアの東の端に位置する日本の特殊性を考えると、移動と時差は大きなハンディとなるが、その負担が軽減される。なので、W杯カタール大会のあとは、ぜひとも吉田麻也(サンプドリア)に復帰してほしいと思っている。

 ブラジル代表がW杯予選や本戦の序盤で苦戦することが多いのも、選手の大多数が欧州でプレーしているためだ。コンディションのばらつきとコミュニケーション不足の問題を言い訳にすることはできないが、戦いながら解消していくしかないのだ。


◇何をするかわからない男、守田英正

 初戦のオマーン戦でつまずき、続く中国戦は勝ち点3を手にしたものの、1ゴールを奪うのに四苦八苦した。当然、森保監督もその原因を分析し、改善策を考えていると思うが、10月のサウジ戦、オーストラリア戦のカギは、守田英正(サンタクララ)の起用だと考える。

 彼は粘り強い守備力が持ち味で、いぶし銀のボランチではあるが、同時に攻撃面で大きなアクセントとなる。オマーン戦も、中国戦も、全体的にパススピードが遅く、攻撃のテンポが上がらなかった。オマーン戦ではプレッシャーをかけられると、横パスやバックパスでスローダウンするシーンが多く、中国戦では11人全員で守るという相手の超守備的サッカーに手を焼き、チャンスをつくれなかった。

 何が足りなかったのか。意外性である。同じことの繰り返しでは、相手も守りやすい。だからこその守田起用だ。チャンスとみれば一気に攻撃参加し、時には予想外のロング、ミドルシュートを放ってくる。こういうプレーは守っていて怖い。怖いからシュートを打たせないためにあえてブロックを崩し、止めにいかなければならない。すると、マークがずれたりスペースが生まれる。

全文はソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/7489491fa36bd8d4f1f786911acbab5dda18aaa3