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永瀬拓矢王座(28)に木村一基九段(48)が挑戦する第69期王座戦五番勝負(日本経済新聞社主催)の第1局が1日、仙台市のホテルメトロポリタン仙台で指され、午後8時18分、木村九段が128手で勝ち、タイトル奪取へ好スタートを切った。第2局は15日、愛知県蒲郡市で指される。

永瀬王座の先手で午前9時に対局開始。角換わり腰掛け銀の戦型になり、互いに「研究済み」を主張するかのように速いペースで指し手が進行。午後0時10分に昼食休憩に入るまでに手数は79手に達し、早くも終盤戦に突入した。

午後1時に対局が再開されてからは、互いに一手一手に時間を使うスローペースに。夕方以降は際どい攻め合いが続き、永瀬王座が優勢とみられていたが、わずかなチャンスを捉えて木村九段が△9九角という角捨ての強手を放ち、攻め勝った。

終局後、木村九段は「ちょっと苦しいと思っていた。△9九角がいい形で入ったので、運がよかった」、永瀬王座は「難しいと思っていた」と話した。

木村九段は2019年、第60期王位戦七番勝負を制して史上最年長の46歳3カ月で初タイトルを獲得し、「中年の星」として話題になった。今期は16人による挑戦者決定トーナメントを勝ち抜き、挑戦者決定戦では佐藤康光九段(51)とのベテラン同士の対決を制して挑戦権を獲得した。(村上耕司)

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