2021年8月22日 16時00分

脚本家で直木賞作家の向田邦子さんが航空機事故で亡くなって22日でちょうど40年です。向田さんの魅力を語り合う催しがオンラインで開かれ、「作品をもっと読みたかった」という声などが聞かれました。

向田邦子さんは数多くのドラマの脚本やエッセーを手がけ、1980年には雑誌に発表した3本の短編小説が直木賞を受賞しましたが、その翌年、航空機事故に遭い、51歳の若さで亡くなりました。

没後40年に当たる22日、これに合わせた読書会がオンラインで開かれ、およそ20人の参加者が作品の魅力を語り合いました。

エッセーが好きだという20代の女性は、「妥協せずにやりたいことを貫いた姿は現代女性のパイオニアだと感じた」と述べ別の参加者は、「誰にも頼らずに生きるという強い思いを持っていたのではないか」と話しました。

また、これまでも向田さんの作品を読んできたという男性は、「変わることのない人間の本質を的確な表現で表現しているので読者の深い共感を得られるのだと思う。作家として脂が乗り始めたときに亡くなってしまったのは本当に残念で、もっと作品を読みたかった」と思いを述べました。

向田さんについては、去年から関連する雑誌や書籍の出版が相次ぎ、中には、ことし6月と7月のそれぞれ1か月の売り上げが平均でこれまでの2倍ほどに増えたエッセー集もあるということです。

オンラインの読書会を主催した川崎祐二さんは「向田さんの1本、筋の通った生き方が世代や性別を超えて支持されている。もっと多くの人にその魅力を知ってもらいたい」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210822/k10013216951000.html