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 衝撃的なトレード発表は、大きな波紋を広げているが、巨人OBでヤクルト、西武で監督も務めた“球界大御所”の広岡氏は、この発表を聞いて「あきれた」という。

「なぜ天下の“大巨人”が中田を獲得したのか、本当に巨人が中田を救うべきだったのか、との疑問が浮かぶ。私はこのトレード発表を聞いて、正直、あきれてしまった。反対だ。

 さらに広岡氏は、「中田という選手が入ることで、また何人かせっかく育ってきた生え抜きの若い選手の出場機会が減り、若い芽を摘むことにもなってしまう」と危惧する。

 今季の巨人の一塁は主に中島、ウィーラーが守っているが、中田が一塁で起用されることになると、また押し出されてしまう若手が出てくる。チーム内競争が激しくなるのは、歓迎すべきことかもしれないが、「生え抜き育成」の妨げにはなる。

 そして広岡氏は、こう厳しい意見を続けた。
「戦力としても中田が逆転Vの切り札になるとは考えにくい。中田には、過去にタイトルを獲得した経験と今の巨人に欠けている長打力があるが、昔の名前では通用しないのだ」

 今季の中田は開幕から調子が上がらず、ここまで39試合出場で、打率.193、4本塁打、13打点と低迷している。腰痛にも悩まされ、ファーム落ちも余儀なくされた。昨年は31本塁打、108打点の成績を残して、4年ぶりに打点タイトルを獲得、本塁打タイトルも楽天の浅村栄斗にわずか1本差に迫るなど復活のシーズンを送っていたが、一転して、苦悩のスランプのシーズンとなっている。

 親分肌の中田は、真面目で心優しき男。暴力行為は絶対に許されるべきではないが、本当は正義感の強いアスリートなのだ。
 “大御所”も中田の新天地での再生に辛口のエールを送る。
「紳士たれ!を伝統とする巨人は、茶髪や髭などはアウト。私生活での行動も含めて日ハムと違ってあらゆる部分に厳しさがあるチームだ。そういう意味では、自分勝手はできないし中田が再生するチャンスのあるチームではある。中田はダメなら終わるくらいに気持ちを入れ替え野球人生をかける決意で取り組まねばならない」
★抜粋
https://news.yahoo.co.jp/articles/dcadac36fac973300c25b9dfb1a9559d30d78177?page=2