8/20(金) 21:31配信 毎日新聞
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 「自分はかからないだろうと思っていた。永遠にこの苦しみが続くのかという恐怖に24時間支配される」。沖縄県出身のお笑いコンビ「ガレッジセール」のゴリさん(49)が20日、沖縄県の玉城(たまき)デニー知事とオンラインで対談し、4月に新型コロナウイルスに感染した体験を語った。自身の感染で家族の生活にも大きな支障が出たことを振り返り、感染防止策の徹底を呼び掛けた。

 沖縄県は爆発的な感染拡大が続き、人口当たりの1週間の新規感染者数は全国ワーストの状態にある。対談は、ゴリさんの体験を通して感染防止の必要性を知ってもらおうと、県が企画した。後日、「YouTube」で公開する。

 ゴリさんは対談で「僕自身も感染するまでは、自分はかからないだろうと思っていた」と打ち明けた。4月上旬にせきと37・5度の発熱があり、抗体検査で陽性が判明した。「僕は誰にうつしてしまったんだろう。僕が接した人でお年寄りがいて、命に関わることになれば自分の責任になってしまうと恐怖で震えた」と当時の思いを振り返った。

 保健所から「40度近くの高熱が続くが、ほとんどの人が3日ほどで熱が下がる」と言われ、自宅療養を指示された。しかし、3日たっても熱が下がらず、「たぶん肺炎になっています」と言われ、緊急入院。せきも悪化し、夜中の病室で1時間せきこんだ。「酸素が吸えないと人間は死を感じる。一日がとても苦しい。誰とも会うことができず、孤独と苦しみで精神的にも不安定になった」

 子供たちも濃厚接触者とされ、しばらく学校に通えなかった。同じマンションの住人にも恐怖心を与えただろうと感じる。「いろいろな人に迷惑をかけてしまったという罪悪感がある」

 ゴリさんは「俺はかからないだろうとか、かかっても自己責任だから仕方ないかと思っている方もいると思う。でも自己責任だけじゃ終わらない。他人の人生を巻き込んでしまうことを自覚してほしい」と話し、感染防止策の大事さを強調。ワクチン接種についても「賛否両論があると思うが、できれば打ってほしい。コロナは皆が同じ気持ちになって同じ方向に向かわないと止まらない」と話した。

 玉城知事は「感染拡大を食い止めるために、一人一人が考え、マスクをつけ、密を避けるとともに、ワクチンについてもしっかりとした情報を調べ、希望する方には受けてほしい」と語った。【遠藤孝康】