夏の甲子園と同時期に開催されている全国高校総合体育大会(インターハイ)でも、コロナ感染による出場辞退が相次いでいる。主催する全国高等学校体育連盟(全国高体連)によると、11〜17日の1週間で空手やハンドボールなど8競技15校が出場を辞退し、それ以前にも柔道で辞退校が出ている。昨年は大会史上初の中止となっただけに、全国高体連の担当者は「2年連続中止だけは避けたかった。対策を徹底した上で何とか継続したい」と対応に苦慮している。

 インターハイでは、身体的接触の有無など競技特性に応じて、競技ごとに感染対策の具体的指針を設けている。全国高体連によると全30競技中、レスリング▽柔道▽空手▽ボクシングの4競技では、大会前に感染の有無を調べる検査を実施。団体競技を含めた多くの競技で、陽性者が確認された時点でチームは出場を辞退する極めて厳しい規定を設けている。

 昨年12月から今年2月にかけて実施した冬季インターハイでは一人の感染者も出さずに大会を終えた。全国高体連が定める感染対策の基本方針には「昨夏は中止という苦渋の決断となったが、冬季総体は無事に終えられた。大会関係者の努力のたまもので、コロナ下でも適切な対策をすることで全国規模の競技大会の開催も可能であることを実証できた」と記されている。

 インターハイや夏の甲子園で代表チームの出場辞退が相次いでいることについて、スポーツ現場での感染症対策に詳しい生駒クリニック(兵庫県猪名川町)の狩野孝之院長は「どれだけ感染対策を行っても、長距離移動や集団生活を伴う全国大会で感染リスクをゼロにすることはできない。大会のあり方を考える一つのきっかけにすべきだ」と指摘する。とはいえ、高校生たちに集大成の場を用意したいとの願いは関係者に共通する思いだ。感染リスクと向き合いながらの試行錯誤が続いている。

8/17(火) 22:09 毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/5ea529a8ba8881471701242962b8089e821541af

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