第103回全国高校野球選手権大会(甲子園)は、13日(大会第3日)の4試合すべてが天候不良により、14日に順延された。12日に続く2日連続の順延は、第96回大会(2014年)の開幕日が2日順延になって以来。今大会は台風9号の接近による開幕順延も含めると、早くも3度目の順延となった。大会本部は3回戦終了後に設けていた「休養日」の取り消しを決定。決勝は27日に行われる予定だ。

 だが、14日以降も甲子園球場のある兵庫・西宮は発達した雨雲に覆われる予報となっており、このまま順延が重なることになれば、大会はどうなってしまうのか。休養日はあと2日残っているものの、31日からはプロ野球の阪神―中日戦の開催が控えている。

 大会関係者は頭を抱え、気を揉むファンはSNSで「1日5試合」「京セラ開催」など、さまざまな腹案≠提示する事態となっている。そんな中「前提ありきでは判断できない時代になってきた」と俯瞰的に語るのは、元日本高野連事務局長の田名部和裕氏(75)だ。

 田名部氏は、まず第一に日程再編がセオリーとの考えを強調。「後ろの連戦を回避するのがいいのでしょうが、後ろにある休養日を持ってきて埋めていくというのが基本です」とした。ただ、休養日を使い切るほど順延が重なれば「基本」が通用しない事態となる。

 過去を踏襲すれば、決勝戦から最低でも「中3日」をあけて甲子園球場をタイガースに返上することを暗黙の了解としてきた。これは現時点で大会本部が決勝を27日までに消化させたい方針であることからも分かる。これは以前まで外野フェンスやベンチ周りの広告を高校野球仕様にする必要があった名残≠フ1つとも言える。

 田名部氏は「プロ野球の方はちゃんと計画を立てておられるわけなので、そこは簡単に言えない話」と断った上で「今はそういう物理的な障害が少なくなっている」と語った。阪神サイドとの協議が不可欠だが、暗黙の「中3日ルール」の3日間を使って、決勝日をさらに後ろにずらす選択肢も考えられる。

 一方「1日5試合」の可能性について、田名部氏は「球場職員は第1試合の8時開始の場合は(グラウンド整備など)準備のために6時に球場入りします。7時開始にすると5時に来なければならない。そうすると(職員が通勤する)電車が動いていない」と説明。さらに「私どもの時は、最終試合が3試合であっても4試合であっても、最終試合の開始時間が(例えば)夜7時とか夜8時とかを超えてはやらないというふうに腹決めはしていました」と振り返り「そう考えると5試合というのは現実的ではない」とした。

 また「京セラ開催」については「過去を振り返れば、西宮(球場)と併用(1946年、58年、63年)でしたからね」と一定の理解を示しつつも「現状、京セラドームと言いましても、スケジュールは入っているでしょうから…」と、こちらも現実的ではないという。

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