町田(前列左から4人目)を中心に、跳びはねて喜ぶ日本の選手たち。銀メダル以上が確定した(撮影・恵守乾)

東京五輪第15日・バスケットボール 女子準決勝、日本87−71フランス(6日、さいたまスーパーアリーナ)女子準決勝で、日本はフランスに87―71で快勝して初の決勝進出を決め、銀メダル以上が確定した。初出場だった1976年モントリオール五輪から数えて5度目の挑戦で、男女を通じて日本初のメダル獲得。ポイントガード町田瑠唯(るい、28)=富士通=らが個々の役割を徹底し、快挙を果たした。日本は8日の決勝で7連覇を狙う米国と対戦する。

日本が大量リードのまま残り10秒を切ると、場内の関係者やボランティアたちから拍手が湧き起こった。終了のブザーが鳴り響き、輪になって喜ぶ選手たち。五輪の決勝に駒を進めた。日本バスケットボール界に新たな歴史が刻まれた。

「すごくうれしい。みんながいいところに動いてくれたおかげです」

司令塔として攻撃のタクトを振った町田は、あふれんばかりの笑顔を見せた。74−70で勝利した1次リーグ初戦に続き、世界ランキング10位の日本が、同5位のフランス相手に再び下克上を果たした。

再戦に向けてフランスは平均身長185センチの高さを生かし、日本の外角シューター陣に圧力をかける布陣で挑んできた。その思惑を逆手に取ったのが162センチの町田だ。相手が外角シュートを警戒している分、スペースが空いたゴール下に切り込んだ。内角を警戒し始めると、すかさず林や宮沢に3点シュートを打たせる。変幻自在のゲームメークで終盤には24点もの差をつけた。

「みんなの動きがよかったので、うまく使いたいと思っていた」

北海道旭川市出身。小学校時代にバスケを始めた。負けず嫌いで、体の大きな相手がぶつかってきたらやり返すことも。高校は強豪、札幌山の手高へ。「どうせ試合に出られない」との周囲の反対を押し切って入学した。当時は身長156センチで体重は36キロほどしかなく、食べることに苦労していた。寡黙で声も小さいが、きつい練習も泣き言は口にしなかった。

前回リオ五輪は世界的PGといわれた吉田亜沙美主将の控えだったが、ここへきてホーバス監督の信頼を得た。この日は五輪の1試合最多記録を更新する18アシスト。「よくないパスでもみんなが合わせてくれた。歴史に名前を残せたことはうれしい」と感謝した。

8日の決勝は1次リーグで69−86で敗れた米国と再戦する。「前回はイージーミスや3点シュートの確率がよくなかった。まずは積極的に守り、そこから走る。100%を出せば勝てない相手じゃない」。小さな司令塔は大金星を狙う。(只木信昭)

8/7(土) 5:00配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/bc2171b3669f70332063d1bb6b3a2b0d5a605714
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