【AFP=時事】4日に行われた東京五輪のスケートボード女子パーク決勝で、銅メダルを獲得したスカイ・ブラウン(Sky Brown)が、「夢みたい」と英国史上最年少の13歳と28日でメダリストとなった喜びを口にした。

 日本人の母親と英国人の父親を持ち、日本生まれながら2019年に英代表での出場を選んだブラウンは、劇的な逆転優勝に向け、決勝最後のランでミスのない滑りを披露したが、得点は56.47点と金メダルを獲得した四十住さくら(Sakura Yosozumi)の60.09点には届かなかった。

 それでもブラウンは、メダル獲得につながったランについて「信じられない」と話し、「今でも夢みたいに感じる。本当にやばい」と喜んだ。

「すごくうれしいし、ありがたいし、他の子たちのこともみんな誇らしく思う」

 ブラウン、さらに12歳と343日で銀メダルを獲得した開心那(Kokona Hiraki)は、優勝していれば85年ぶりに記録を更新する史上最年少の五輪チャンピオンになっていた。

 それでもブラウンは、友人でもある四十住をたたえながら、「みんなすごかったし、みんなすごく良かった。みんなを誇りに思う」と話し、「本当に良い友だちと一緒に表彰台に上がれただけで、とにかく最高だった」と続けた。

 選手同士の仲の良さが目を引くスケボーだが、ブラウンは、親友でもある金メダリストの四十住から励ましてもらったことで、決勝の最初の2本でキックフリップインディーを失敗したショックから立ち直り、見事に銅メダルを獲得できたことを明かした。

「さくらに『やれるよスカイ、あなたならきっとできる』と言ってもらって、本当に楽になった」

「少し緊張していたから、表彰台に上がれてうれしい。でも正直に言えば、とにかく自分のトリックをメイクしたいという気持ちで、順位はあまり気にしていなかった。技を決めたい一心だった」


■バッハ会長を「誰?」

 また、表彰式の前に話しかけてきた人物が、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長であることに気づかなかったようで、インタビューでは「すみませんけど、誰のこと?」と口にしている。

 わずか1年ほど前の練習中に手首と手、頭蓋骨を折る大けがをしたブラウンにとって、今回の五輪は復活の舞台だった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で五輪が1年延期になっていなければ、そのけがで当時11歳の彼女は五輪出場の夢を絶たれていたはずだった。

 ブラウンは、「本当に滑れるのか分からなかった。両親には、『スケートはもうやめて、何か別のことをしなさい』と言われた」と話し、五輪に出られるか分からない時期があったことを認めながらも、「だけどここへ来られて本当に良かった。あの事故のおかげで強くなれたと心から思う」と話した。

 すでにブラウンは、スケボーだけでなくサーフィンでも出場を目指す2024年パリ五輪に目を向けている。サーフィンに出場するには、競技がパリから1万5000キロ以上も離れたタヒチ(Tahiti)島で行われるという難しさがあるが、それでもブラウンは「可能性があれば。だけど本気で両方出たいと思っている。もちろんサーフィン(での出場)に挑戦していく」と話している。

「若い女の子たちの刺激になりたい。若すぎるから何かができないなんていうことはなくて、自分を信じれば何でもできると思っている」

「スケボーは誰でもできる。身長も年も関係なくて、やりたい気持ちがあればいつだって始められる。必要なのは滑って、頑張り続けることだけ」 【翻訳編集】 AFPBB News

8/4(水) 19:55配信 AFP=時事
https://news.yahoo.co.jp/articles/a06f534d29341e9a28cba66acb5ea126d1bb840f
画像 東京五輪、スケートボード女子パークで銅メダルを獲得した英国のスカイ・ブラウン(2021年8月4日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News
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