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歌手やアーティストの振り付けで引っ張りだこの人気振付師で演出家MIKIKO
最新技術を駆使したライブ演出の腕を買われ、リオ五輪で日本を紹介するセレモニーの演出を担当した。

 リオデジャネイロ五輪・パラリンピックの閉会式で行われた、次の開催都市を紹介する「フラッグ・ハンドオーバー・セレモニー」(五輪旗引き継ぎ式)で総合演出を担当しました。

2015年12月ごろからスーパーバイザーの佐々木宏さん、菅野薫さん、椎名林檎さんと4人で演出について話し合いを重ね、

「着物」「忍者」といった海外に日本を紹介する時のおなじみのアイコンはあえて使わずに、

20年東京五輪の予告編として今の東京を見せるものにしようと決めました。

 最終的に演出が固まったのは4月末か5月ごろです。 東京五輪のエンブレムの決定を待ったこともありギリギリになりましたが、結果的に45個のLED(発光ダイオード)の四角い立体の枠で市松模様のエンブレムをフィールドに描くところが落としどころになってよかったと思います。

 リオ五輪でユニーク演出 フラッグ・ハンドオーバー・セレモニーは、小池百合子東京都知事の旗の引き継ぎに続き、現実世界に架空像を映し出すAR(拡張現実)や光の演出など、最新のテクノロジーをふんだんに盛り込んだ8分間のショーで東京をアピールした。

MIKIKO 閉会式が行われたマラカナン競技場を下見した時、リオ五輪の開会式・閉会式の演出チームから「(ダンサーは)200人、300人はいないと会場が埋まらない」と言われました。
確かに広い会場です。でも、日本から片道24時間以上かかるリオに大人数を連れて行くのは予算の上でも難しいので、少ない人数での演出を考えました。

MIKIKO ダンサー一人ひとりをいかに拡張して見せるかを考えました。
各ダンサーの動きと画面の映像をシンクロさせて、着地した瞬間に地面が沈み込んだように見せたり、
ダンサーが直方体のLEDフレームの枠をつかんで回転させながら移動することで、人の動きを拡大して見せる効果を狙いました。

── 今後の抱負は。
MIKIKO ショーを見せる場所を東京に作りたいなと考えるようになりました。 この2、3年、海外で公演する機会が増えましたが、
特に海外では、照明や舞台装置など会場設備の制約のために、やりたい演出のすべてを実現できるわけではありません。
「もっとできるのに」と思うのです。だから、全力で作りこんだショーを日本に見に来てほしい。 20年に向けて、そういった場所を作りたいです。

(本誌初出 ワイドインタビュー問答有用:/626 日本人のダンスを追究=MIKIKO・演出振付家 2016年12月27日)