現地時間7月13〜18日に開催されたビーチハンドボールの『欧州選手権』である騒動が起きている。

 事の発端となっているのは、同大会でノルウェーの女子選手が太ももまで覆ったタイツを着用したことだ。これに対して欧州ハンドボール連盟から罰金&失格の警告が与えられ、全世界で大きな反響を呼んでいるのだ。

 同競技は国際規定として「女性はビキニを着てのプレー。トップスは袖がないタイトフィットのスポーツブラで、ボトムスはサイドが10センチ以内」と定められている。ノルウェー国営放送『NRK』によれば、今回の騒動は同ルールに対して不満を募らせたノルウェーの選手らが意図的に行なったものだと伝えている。ボトムスの変更を求めた選手は、数年前から連盟と議論を重ねていた。

 そして今大会前にタイツでプレーする旨を申請したところ、連盟からは1試合1人あたり50ユーロ(約6500円)の罰金が科せられると通知されたという。これをノルウェーはチームとして了承していたが、ハンガリーとの初戦を前に状況は一変。ビキニを着用しなければ失格になると暗に示されたのだ。

 同大会はワールドカップ出場権をかけて戦うために捨てられない戦いだったため、ノルウェーは、やむを得ず従来のビキニで試合に臨んだ。キャプテンを務めるカティンカ・ハルトムットは、「ビキニでプレーするのは、本当に恥ずかしくて絶望的なこと。完全におさらばしたい。罰金なら喜んで払う」と心境を告白している。

 さらにノルウェー紙『Verdens Gang』によれば、フランスの監督ヴァレリー・ニコラスは、各国の選手らが協力して改善する必要があると述べている。

「同競技はウェアーで選手を失っている。選手たちにとって裸のように不快に感じ視線が気になるものだ。色んな動きがあるスポーツでありながら、ビキニによって妨げられてる。生理や宗教に関連する不快もあるのにだ」

 準決勝でデンマークに敗れながらも、3位決定戦ではタイツを着用して世界に向けてメッセージを発信したノルウェー。今後はスウェーデン、デンマーク、フランスと共にルール改正を求める予定だ。

構成●THE DIGEST編集部
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