7/5(月) 11:23
スポーツ報知

カシメロ陣営が8・15ドネア戦消滅を謝罪 再三の挑発を「制御不能になった」
WBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロ(ロイター)
 プロボクシングWBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)の陣営が、8月14日(日本時間15日)に米カリフォルニア州カーソンで対戦を予定していたWBC同級王者ノニト・ドネア(フィリピン)に謝罪した、と米スポーツ専門サイト「ESPN」が4日、報じた。カシメロと契約する「MPプロモーション」のショーン・ギボンズ代表がESPNに明らかにした。両者の統一戦はドネア側が中止を発表していた。

 カシメロはドネア戦に備えた事前のドーピング検査をめぐり、陣営がVADA(ボランティア・アンチドーピング協会)への書類提出期限から5日遅れで提出した。検査に消極的、かつプロセスを守らないなど不誠実な対応にドネア陣営が激怒し、6月29日に試合のキャンセルを表明。これにカシメロ側がSNSなどで“逆切れ”の反論を展開。ドネアのみならず、レイチェル夫人まで中傷するヒートアップしていた。

 ESPNによると、ギボンズ氏は試合中止にも発展した騒動について「制御不能になった」と説明し、ドネア陣営に謝罪したことを明かした。そして「言ってはいけないことまで言ってしまった」と語ったという。

 カシメロの次戦は同じ日程で、WBA正規王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)との世界戦が再設定された。元々、試合は4月に内定していたが、WBA、IBF統一王者・井上尚弥(大橋)も目指す4団体統一を実現するため、対戦相手がリゴンドーからドネアに変わり、試合キャンセルを経て、“元さや”に収まった形だ。

 リゴンドーはアマチュアで五輪連覇、プロ転向後は、スーパーバンタム級王者時代の2013年にWBO王者だったドネアに判定で完勝した実績がある。40歳ながら衰えは感じさせず、ギボンズ氏は「私たちは非常に厳しい戦いに挑む。ドアに倒した男との戦いなのだから」と語った。

 さらにリゴンドーの過去の敗戦がスーパーフェザー級で対戦した元3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)だったことに触れ、「彼の人生で悪かった試合はたったの1度。しかも相手は階級が上のロマチェンコ。リゴンドーはまだまだ健在だ」と語った。

 これまで井上にも再三の挑発発言を繰り返すなど場外戦に熱心だったカシメロ陣営。“改心”して無事リゴンドー戦に進むようなら、井上を中心とした4団体統一戦線がさらに熱くなりそうだ。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/887dbd5f38734928c0662000d5131d3ea6a1312b