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テレビアニメ『スーパーカブ』(TOKYO MXほか)の最終回となる第12話が、6月23日に放送された。放送中に幾度も炎上騒動に巻き込まれてきた同アニメだが、最終話を見た視聴者からは「なんだかんだ良いアニメだった」との声が。見事に有終の美を飾ったようだ。

まずこれまでの『スーパーカブ』をざっくりと振り返ってみると、1話から4話までは主人公の小熊がスーパーカブを手に入れ、日常を少しずつ変化させるストーリー。ここまでは『ゆるキャン△』のようなゆるいアウトドアアニメだと思われていたが、クラスメイトの礼子がスーパーカブに乗って富士山登頂を目指す第5話あたりで、何か不穏なものを感じた視聴者も多いようだった。

その後、第6話では小熊が免許取得後1年未満でスーパーカブの2人乗り≠行うシーンが登場。「道路交通法」違法だという指摘が相次ぎ、ちょっとした炎上騒動になってしまう。しかし第11話では、さらにツッコミどころ満載のエピソードが待ち受けていた。クラスメイトの女子・椎が冬の川に転落するのだが、小熊は救急車に連絡することなく、彼女をスーパーカブの前かごに乗せたまま突っ走るという驚きの人命救助を行ったのだ。

こうしてファンの間で「もはやギャグアニメ」という評価が定着しつつある中、ついに放送された最終回。そこでは小熊・礼子・椎のレギュラー3人娘が、桜を見るためにカブで九州へ行くことに。中山道でお茶屋さんに入ったり、道の駅で黒パンにクリームチーズと木曽サーモンをのせて3人で食べるなど、ツーリングの醍醐味をしっかりと描写。また資金を節約するためにビジネスホテルやネットカフェに宿泊するところも、高校生ならではの青春ロードムービーっぽい面白さがあった。

『スーパーカブ』がラストで名作っぽい雰囲気に

これまでの挑戦的な描写や、視聴者たちの場外乱闘がまるで夢だったかのように、最終話にはスーパーカブを題材にした日常系アニメ≠ニしての魅力が詰め込まれていた。そのため視聴者からは《こういうのでいいんだよ》《なんかいろいろ騒がれてたけど、個人的には最高のアニメだった》《最後の最後でキレイにまとめたな》《自分もスーパーカブに乗って旅行したくなった》《もうアニメで小熊さんと会えなくなるってマジ?》《3回に1回くらい炎上してもいいから永遠に続いてくれ》といった絶賛の声が。またツイッター上では「スーパーカブ」がトレンド入りを果たしていた。

一方で《最後まで小熊のキャラを掴めなかった》《小熊に感情移入出来なかった》といった声もちらほら見かけるが、このあたりは原作小説を読めば補完できるだろう。また原作を読めばプチ炎上した第6話の展開も、ギャグアニメとまで言われた第11話の展開も、なんとなく納得できるはず。1つ言えることがあるとすれば、小熊は最初から一部の視聴者が幻想を抱いていたような「ピュアな田舎娘」ではなく、極端なまでに合理的なアウトローなのだ。おまけにかなり義理堅い。

もちろんアニメだけでも、1話から見直せば小熊がどのような価値基準で物事を考えているかなんとなくわかるはず。アニメが終わって「スーパーカブ」ロスに陥っている人は、2期を待ち望みつついろいろと考察してみてはいかがだろうか。