6月19日(日本時間20日)メキシコ・グアダラハラで元UFC世界ミドル級王者のアンデウソン・シウバ(46=ブラジル)が、
元WBC世界ミドル級王者のフリオ・セサール・チャベス・ジュニア(35=メキシコ)とクルーザー級8Rのボクシングマッチを行い
2-1(77-75×2 シウバ、77-75 チャベス)のスプリット判定でアンデウソンが勝利した。
これまでMMA選手がボクシングに挑戦し、メイウェザーvsUFCコナー・マクレガー、元UFCベン・アスクレンvsジェイク・ポールと
MMA側がKO負けしていただけに記念すべき勝利だ。

アンデウソンは06年10月から13年7月までUFCミドル級王座に君臨。長い四肢から繰り出すムエタイ仕込みの強打を武器に、
16連勝の最多連勝記録を樹立し、全階級を通じてUFC史上最も長く王座に就いた。昨年11月1日(日本時間)の『UFC FIGHT NIGHT』で
ユライア・ホールにTKO負け。その試合を最後にUFCはアンデウソンとの契約を解除したため、そのまま現役引退と考えていたが、
本人はプロ格闘家の活動を続ける意思を見せていた。

チャベスは11年6月にWBC世界ミドル級王者になるも12年9月に判定負けし4度目の防衛に失敗。その後ライトヘビー級に階級を上げ、
前戦の昨年11月には4RにKO勝ちを収めている。

1Rは互いに探り合う静かな展開だったが、2Rから圧力をかけるチャベスにアンデウソンがステップを踏み、長いリーチからの
右ストレート、左ボディ、右フックと連打。チャベスも反撃しアンデウソンをコーナーに詰めパンチを連打するがアンデウソンは
反応が早く、被弾しても浅く、うまくかわしクリーンヒットさせない。

3Rにはアンデウソンが自ら下がってコーナーを背にすると、チャベスは連打。かわすアンデウソンは「来いよ!」と挑発。チャベスの
パンチを次々見切り会場を盛り上げる。

4Rからアンデウソンのペースに。ロープに詰めフック、アッパーとヒット。さらに終盤には右ストレートでチャベスのアゴを大きく上げ
バランスを崩させた。

以降もアンデウソンペースで試合が進み、最終の8Rにはチャベスが眉間をカットし出血。その後、チャベスが反撃のパンチの連打で
アンデウソンはロープを背にするも、アッパーを返しチャベスのアゴを上げさせるなど冷静な試合運びだった。アンデウソンが手数と
テクニックで翻弄。1人がチャベスを支持したのが不思議なくらいだった。

アンデウソンは「私たちはすべてのラウンドで勝利しました。これは私の長年の夢でした。最高のチームがあったからこそできたことです。
私のチームは私の家族です。一緒に頑張ってきました。ここまで来るのに、たくさんのハードワークがありました。絶対にまたやります」と
勝利を喜んだ。
アンデウソンはプロボクシングで1998年と2005年に2戦経験があり、約16年ぶりのボクシング戦となった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c2a7b6a937288e141f3fbc5c227fbbe879514586