月陸2021年6月17日
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第53回全日本大学駅伝の関東学連推薦校選考会が6月19日、神奈川・相模原ギオンスタジアムで行われる。前回大会で8位以内に入った駒大、東海大、明大、青学大、早大、東洋大、帝京大、順大にはシード権が与えられており、残る「7枠」を巡って残りの大学が激しく火花を散らしそうだ。

昨年はコロナ禍で中止となったため、2年ぶりの開催となる。出場枠は従来と変わらず「20」。2年前から出場校の顔ぶれが変わり、立大が初参戦を決めたほか、慶大が21年ぶりの出場となる。

1組各校2人ずつが10000mレースに出走し、4組8人の合計タイムで争われる初夏のナイターゲーム。ここからは注目チームやレースの見どころを紹介していく。

■國學院大、東京国際大がトップ通過候補か
まず、エントリー選手による10000m自己記録上位8人平均タイムを見てみよう。

1)國學院大 28.43.20(6人)
2)中  大 28.47.39(6人)
3)中央学大 28.47.57(6人)
4)東京国際大▲ 28.56.99(3人)
5)日  大▲ 28.57.93(4人)
6)日 体 大 28.59.79(4人)
7)国 士 大▲ 29.02.86(3人)
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8)神奈川大 29.04.66(2人)
9)拓  大▲ 29.04.69(2人)
10)創 価 大▲ 29.06.04(2人)
11)山梨学大▲ 29.06.30(3人)
12)大 東 大▲ 29.08.11(3人)
13)城 西 大 29.15.78(2人)
14)駿河台大▲ 29.20.53(3人)
15)上 武 大 29.24.79(1人)
16)法  大 29.24.98(1人)
17)慶  大 29.32.17
18)専  大▲ 29.38.80
19)亜細亜大 29.39.02(2人)
20)立  大 29.42.05(1人)
※( )はエントリー選手のうち29分未満の人数
※留学生を2名エントリーしている大学(▲)は1名分で換算
※データはエントリー締切日の6月1日時点

國學院大は3年ぶりの選考会で経験者は不在だが、関東インカレ2部10000m5位(28分10秒30)の藤木宏太(4年)、10000m28分17秒84の中西大翔(3年)、同28分27秒台の木付琳と島崎慎愛(ともに4年)、同28分38秒88の平林清澄(1年)ら強力選手を各組に配置することができる。トップ通過も十分狙える戦力だ。

東京国際大は2年前にトップ通過の経験があり、その時の立役者であるイェゴン・ヴィンセント(3年)が健在。この選考会ではエースが集う4組目で大逆転が起こるケースが多く、3組終了時にトップと1分程度の差であれば、10000mで学生歴代3位の27分30秒24を持つヴィンセントで“ごぼう抜き”することも可能だろう。

中大は昨年の日本インカレ5000m覇者の吉居大和(2年)と10000m28分15秒40の千守倫央(4年)がエントリーから外れたが、それでも28分台ランナーを6人そろえるなど総合力は高い。2012年を最後に本戦出場から遠ざかっており、チームにとっては鬼門とも言える大会。エース抜きでも突破を決めることができれば、伊勢路でも上位争いをかき乱す存在となりそうだ。

中央学大は8年連続で伊勢路を駆け抜けており、この選考会も得意としている印象。10000mでエントリー選手日本人トップの28分03秒39を持つエースの栗原啓吾(4年)を中心に、関東インカレ2部3000m障害チャンピオンの吉田光汰(4年)、1年生ながら10000m28分台を持つ吉田礼志と堀田晟礼ら豊富な戦力で今年も通過を狙う。

順当にいけば残りは3枠。留学生を擁する日大、国士大、拓大、創価大、山梨学大、大東大らは3組終了時までに通過が狙える位置につけたいところ。特に創価大は箱根駅伝準優勝に輝いた戦力が多く残り、全日本初出場に向けて機運が高まっている。

日体大と城西大はそれぞれ藤本珠輝、砂岡拓磨(ともに4年)と強力なエースを擁する。最終組で留学生に勝負を挑み、チームの順位を押し上げられるか。神奈川大は絶対エースは不在ながら、高い総合力を武器に1組目から着実に上位争いに加わってきそうだ。

■日本人トップの座をつかむのは?
全日本大学駅伝の出場を懸けたチーム戦でもありながら、最終4組は各校のエースが集い、個人戦としても注目が集まる。個人全体トップは今年も強力なケニア人留学生となりそうだが、そこに日本人選手が加わり、ハイレベルな争いになることを期待したい。日本人トップは前述の藤木、藤本、砂岡に加え、箱根駅伝1区区間賞&日本学生ハーフ優勝の実績を誇る鎌田航生(法大)が候補に挙がる。記録水準は例年全体トップが28分前半、日本人トップが28分台後半となることが多いが、雨で気温が下がることが予想される19日は過去最高水準の超高速バトルが見られそうだ。
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