アン・ハサウェイが新米ファッション編集者アンディを演じ、世界中で大ヒットした映画『プラダを着た悪魔』。アンディを苦しめる鬼上司ミランダを演じたのはメリル・ストリープ。これまで3回オスカーを授賞しているベテラン大女優の彼女だけれど、この役を演じたときには難しいことがあったとか。雑誌『エンターテインメント・ウィークリー』のインタビューで当時の苦労を語っている。

メリルはメソッド演技法で演じる俳優の1人として有名。この方法はキャラクターの性格や心理を掘り下げて役作りし、その人物になりきって演じるものである。だから撮影中のメリルはカメラの回っていないところでもミランダになりきって過ごしていた。メリル曰く「本当にひどい経験だった。私はトレーラーの中でひとりで惨めに過ごしていた。外でみんなが楽しく笑っているのが聞こえた」。あの厳しいミランダがスタッフや他のキャストと雑談したり冗談を言ったりするなんてありえない。だからメリルも待ち時間や休み時間はひとりで過ごしていたそう。「ものすごく憂鬱な気持ちになった。『これが上に立つものが支払わなくてはいけない代償なんだ』って思っていた」。さらに冗談めかして「もうこの作品以降、メソッドとかいうものはやっていないわ!」とも。

でもメリルがトレーラーに閉じこもっていたのは演技のためだと共演者たちも理解していたもよう。ミランダの部下エミリーを演じたエミリー・ブラントは「メリルはとても社交的で面白い人。だからみんなの輪から離れなくてはならなかったのはつらかったと思う。でも近寄り難いというわけではないの。彼女のところに行って『今、こんなに面白いことがあったのよ』って言ったら聞いてくれたはず。でもセットでああいうふうに過ごさなくてはならなかったのが楽しかったとは思えない」。

またアン・ハサウェイも「メリルの存在には怖気づいたけれどいつも思いやりを持って接してくれているのがわかった」。2人ともセットでのメリルの態度に大きな影響を受けたと話している。それにしてもあのおしゃれで明るい映画の裏にこんな苦労があったとは! 15周年を機会に改めて作品を見直してみたら、また新たな発見がありそう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c9ff0a1950512d20d6970c04d298af82fbe81580
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